5月7日(日):キネマ館別館~『ウルトラマン』(1)
今回、ゴジラ映画をレンタルした際に、ウルトラマンシリーズが目についた。初代ウルトラマンがあるかなと思って、探してみたら、あったので、ついつい懐かしさからレンタルしてしまった。
子供のころはウルトラマンもよく見た。当時は再放送をよくやっていたな。同世代の友達なんかにはウルトラセブン派がけっこういるのだけれど、僕は初代のウルトラマンが一番好きだ。
それでDVD第1巻をレンタルした。第1話から第4話までが収録されている。子供の時に見ていたものを現在の僕の目で見たらどんな発見があるだろう。
(主題歌)
オープニングはウルトラマンの主題歌だ。宮内国郎さんの作曲だ。けっこう健康的な曲を作る人というイメージが僕の中ではある。
ホルンのイントロに続いて、「テンテテテ・テンテテテ」とギターが聞こえる。このリズムギターの動きが面白い。
(第1話「ウルトラ作戦第一号」)
科学特捜隊のハヤタ隊員がウルトラマンになる経緯が描かれる。地球に逃れてきた怪獣ベムラーを追ってきたウルトラマンだが、パトロール中のハヤタ隊員を死なせてしまうのだ。それで申し訳ないと思ったウルトラマンがハヤタ隊員と一心同体になる。そうそう、思い出した。割とショッキングなエピソードだったのでインパクトが強かった。主人公がいきなり死んでしまうのだ。
怪獣はベムラー。顔はブサイクだけど、目の辺りが愛嬌があってカワイイ。こいつが暴れまくるのだ。それを迎え撃つのは科学特捜隊の面々である。
この科学特捜隊は最先端科学技術を駆使するのであるが、相手は原始的な怪獣である。なんだろうこの世界観は。最先端のものと最初期のものとが同居しているような違和感がある。しかも、原始的な方が強いのだ。
危なくなった時にウルトラマンが登場する。ベムラーと格闘して倒すわけだ。
科学特捜隊のメンバーにイデ隊員がいる。僕の好きなイデさんだ。この人は小心者で、オッチョコチョイなんだけれど、頭が良いのである。カラータイマーの意味を読み取ったのもイデ隊員である。さすがだ。
最後に「彼」をウルトラマンと名付けて終わる。
(第2話「侵略者を撃て」)
この第2話はいわゆる「神回」である。子供のころはメチャメチャ怖かった回だ。お馴染みのバルタン星人の登場だ。
このバルタン星人は、他の怪獣と違うのである。他の怪獣は「鳴く」のである。ギャオーとかキエーなどと鳴くのである。バルタン星人は「ブッフォッフォッフォ」と笑いおる。面白いことがあるわけでなくても笑うという不気味なやつだ。しかも、こいつは空を飛ぶのだ。ウルトラマンも、珍しく、空中戦を繰り広げる。
それにしても、科学特捜隊の車って、左ハンドルのアメ車だったのね。子供のころは全然気づいていなかった。
アラシ隊員はバルタン星人に動きを止められてしまう。凍らされてしまう。
バルタン星人との交渉に、宇宙語が話せるというイデ隊員が抜擢される。おっかなびっくりで建物に入っていくイデ隊員がカッコいい。怖くても決して逃げないのである。バルタン星人と遭遇するイデ隊員。彼の宇宙語がバルタン星人に伝わっているのも面白い。それにしても、バルタン星人が後ろをピッタリついてくるというのは、まあまあイヤなシチュエーションだな。
そのイデ隊員は、2話目にして、ハヤタがウルトラマンであることを疑うのである。さすがイデさんだ。ベッドから落っこちて顔に痣をつくるだけのことはある(つまり凡人とは違うという意味だ)。
ちなみに、ウルトラマンのビームにスペシウム光線と名付けられるのも本編だ。
(第3話「科特隊出動せよ」)
この回の怪獣はネロンガ。四つ足怪獣で、ゴジラ系の鳴き声を発する。
このネロンガというやつ、かつてサムライに退治されて井戸に幽閉されたのであるが、300年の間に、水力発電所などの設備から電気を喫うことを覚え、巨大化したという設定である。なんだろ、このラブクラフト的世界観は。
この回では、科学特捜隊に自由に出入りできる謎の少年、ホシノ君が大活躍だ。正直に言って、ホシノ君の存在を僕は忘れていた。
イデ隊員はハヤタがウルトラマンであることの疑惑をさらに深める。
(第4話「大爆発五秒前」)
怪獣は海底に住む原人ラゴン。放射能によって本能が壊れたという設定だ。全身グリーン色で、ガンコオヤジ系の顔をしておる。人間だったら口やかましそうな感じのやつだ。
特捜隊の紅一点フジ隊員の休暇旅行先にラゴンが現れるなど、出来過ぎである。また、ラゴンを目撃した船員がうわ言を言うシーンがあるが、けっこうハッキリしたうわ言を言っているのもご愛嬌だ。ミチコはイントネーションがおかしいし、なかなか脇役が個性的である。
さて以上が収録の4話である。子供向けの番組だけれど、観るとやっぱりオモロイな。毎回いろんな怪獣をよく作るものだ。造形だけではない、鳴き声とか、パーソナリティ(みたいなものも怪獣にはある)とか、怪獣となったエピソードとか、毎週考えるのもたいへんだろうな。制作側の苦労に思いが飛んでしまう。
尚、DVDには家族のための特撮入門というコーナーが付録として収録されている。特撮好きの親子が特撮作品を作るという設定で、特撮の技術を紹介してくれる。今回は「同ポジション撮影」だ。
なるほど、バルタン星人が壁からニュッと現れるのは同ポジ撮影しているのだな。「このシーンは同ポジで撮るぞ」とか「ここは同ポジでいこう」とか言って撮影してるのかな。
しかし、まあ、くだらんことを書いているな。ウルトラマンを胸躍らせながら純粋に鑑賞していた子供はもういないのだな。僕も大人になって汚れちまったものだ。
さて、ウルトラマンの続きを見るかどうか、今のところ未定だ。観たら、またこうして記録に残しておこう。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)