5月31日(金):今月のいくつかのこと
今月もいろいろあった。その「いろいろ」をすべて記録しておきたいとも思うのだが、これも僕の完全主義かもしれないな。まあ、そのうちのいくつかをしたためておこう。
僕は常に現金主義だ。買い物もその他の支払いもすべて現金だ。だから電子マネーというのが本当に便利なのかどうか僕は知らないのである。時々、あまり便利でもなさそうだなと思うこともあるのだけれど、今月はそう思うことが通常よりも多かったかもしれない。
レジを打っているとお客さんが電子マネーで支払う。通信障害がやたらとあった。これも太陽フレアとかいうものの影響なのだろうか。
この太陽フレアとかいうものによって、大規模な通信障害が生じ、地球規模の災害が生まれるとか、都市機能が崩壊するとか、なんじゃかんじゃのことが言われているそうだ。結局、確かなことは分からないということなんだけれど、未来のことは誰にも分からないものだ。AIは予測はするけれど、予言はできないものである。
そういう不吉な予測はすぐに終局論とかに結合する。人類の滅亡であるとか、世界の破滅であるとか、そういう終局と容易に結びつく。そうした終局論は人間の不安を脇へ逸らす。そこに不安を集中させることによって、本来不安を感じるべきところのものから目を逸らさせることになる。
僕は思う。死や滅亡の不安よりも、生や存続にまつわる不安に目を向けた方が良い、と。人間の不安は、死の不安よりも、生きていくことへの不安の方が大きいと思うし、それがより本質的だと思う。
さて、話題転換。
ポケモンカードでさえ辟易しているところへ、今度はワンピースカードなるものが登場した。やたらと問い合わせがある。店に電話がかかる。僕は作業の手を止めて電話に出る。すると「ワンピースカードは入荷したか」という問い合わせだったりする。ええ加減にせえ、と怒鳴りたくなる。いちいち店に問い合わせるようなことか。
入荷があり、販売開始となる。カードを買う人も多かった。でも、そのうちのどれだけの人が純粋にカードゲームをするのだろう。大部分は転売目的かもしれないな。
同じことは一番くじにも言える。70回もくじを引いてラストワンをゲットした人もいた。どうしてもラストワンが欲しかったのかもしれないし、転売目的であったかもしれない。客が買った品物をどうしようと客の自由であるし、店としては売れてくれたらありがたいことではある。しかし、70回って、それだけで5万円ほどつぎこんでいるわけだ。ラストワン以外、全部ゴミになるんだろうな。5万円ドブに捨てるようなものとしか僕には思えないのだが、いかがなものだろう。
いや、今の話は誇張ではない。本当に捨てられていることがあるのだ。一番くじの景品とか、ポケモンカードのカードなんかが、店のゴミ箱や駐車場に捨てられていたりするのである。買ったのはいいけれど、それがお目当ての物ではなかったから捨てたのだろう。
こういうのはもったいないとか、そういう話ではなくて、僕にはギャンブル依存の一つの形式であるように思う。お酒を飲まないアルコール依存があるのと同じで、ギャンブルをしないギャンブル依存というものもあると僕は考えている。こういうカードやくじは、ギャンブルの要素が多少はあるとはいえ、ギャンブルをしない人にギャンブル依存症状をもたらすものだと僕は思うようになっている。
5万円出して、ラストワンとその他70個の景品を買うより、そのお金で治療をした方がどれほどその人のためになるだろうか。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)