5月16日:闘病記―8

5月16日(金):闘病記―8

 断酒と食事制限と、他に細々したことを始めて丸一週間を経て、今日から二週目に突入する。
 今日も酒は飲まなかった。多少の飲酒欲求は感じられたけれど、耐えられないほどではなかった。今のところ、酒に手を出す心配はなさそうだ。あまりお金を持ち歩かないようにしているし、夜は本を読むことの方が今は楽しい。
 今日は角田喜久雄『下水道』より短編7編、梶井基次郎「檸檬」、レーヴィット『共同存在の現象学』より第2部1節から4節、ディルタイに関する事柄をいくつかの哲学の本から拾い読む。シンガー『心理療法の鍵概念』第3章、ボス『精神分析と現存在分析』より第4章。その他を読んだ。小説は面白く感じられるし、専門書は頭に入ってくる感じがするし、読んでいて楽しい。
 今日は、金曜日の定休日。本当なら歩きに行くところだったけれど、気分が乗らず、一日の大半は原稿を書いて過ごした。このサイトの原稿と、趣味で書いている文章、並びに、いつか形になるかもしれない本の原稿などだ。
 午後から高槻に出る。職場で、パソコンにCDを取り入れる。15枚ほどパソコンに入れる。
 夜、帰宅時に歩く。今週からこれを始めよう。歩くのだ。高槻から上牧、あるいは水無瀬まで。5キロから6キロといった距離だ。一時間程度で歩ける。これを可能な限り毎回する。雨の日なんかは除くし、スーツで帰るときも除く。春、夏と、僕は私服で来て、職場で着替えるようにしている。私服で帰る時のみ歩こうと決める。
 今日、さっそく歩いた。何となく長いなあと思っていたけれど、歩いてみれば案外遠くない。水無瀬まで行った。途中、カミナリ族のような一団が171号線にて僕を追い抜いていったけれど、いまだにああいうことをしている人たちがいるんだなと思う。時代遅れもいいところじゃないかと思う。
 171号線には何軒も飲食店があって、通りから中が見えたりする。金曜の晩だというのに、どことも繁盛してなさそうだった。

 無事、帰宅。ご飯と漬物の夕食を独りで済ませる。貧相な夕食だが、今はそれでいい。
 体の調子はまあまあだったな。今日も僕のジンちゃんはよく働いてくれた。トイレの回数もそれなりにあった。
 しかし、腎臓が悪いですねと医者から言われた時は本当にびっくりした。酒もたばこもやるので、カンちゃん(肝臓)がデラックスだとか、ランちゃん(肺、英語のlungから)がガングロでヤマンバになっているとか言われると思っていたのに、まさかジンちゃんが悪い子だったなんて。
 僕は学校の先生にならなくてよかったと思った。担任を受け持ったらきっと、デラックスなカンちゃんや真っ黒けのランちゃんばかりに目が行って、大人しいジンちゃんのことは悪くなるまで気が付かないっていう、そんなダメ教師になっていただろうと思う。
 生涯付き合う体と心だ、これからは仲良くしていこう。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

(付記)
 今の所、ジンちゃんは良好だ。カンちゃんやランちゃんは相変わらずかもしれない。今はニー(膝)ちゃんが壊れているので、そちらにかかりっきりだ。
(平成29年1月)

 

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