4月13日:コロナ絶望

4月13日(火):コロナ絶望

 高齢者のワクチン接種が始まった。それはそれでいいんだけれど、接種予定者が二人欠席したために二人分のワクチンを廃棄したそうだ。

 どんな場面だろうか。一本で6人分だ。最後に4人しか集まらなかったということか。それならその4人は明日また来てもらえばいい。もしくはもう二人が揃うまでこの4人に待機願うかである。

 結局、もう二人が揃わなかったために、4人に接種し、二人分は廃棄という流れになったようだ。ホント、何やってんねんと言いたくなる体たらくだ。

 日本はオリンピックなんてのを開催すると言っている。それもあって、海外は日本の感染症対策にことのほか関心を寄せているという側面がある。ワクチンを廃棄したなんてニュースが流れたら、またワクチン交渉が難渋することになりそうだ。

 どの国もワクチンが足りていないのだ。もっとも接種の進んでいる国でも国民の6割程度で、あとの4割分は足りないのだ。それを廃棄処分するとは何事だと、売る側からすればそう思うことだろう。せっかく数を確保しても、廃棄されるとなったら、売る気が失せることだろうと思うし、何のために苦労して数を確保してきたのかも分からなくなるだろう。努力が一切無視される日本のあり方がそのまま世界に伝わってしまうだろう。

 ともかく、ワクチンの廃棄なんてもってのほかだ。何を考えてることやら。その日の最後に6人そろわなかったら明日に持ち越すくらいのことをすればよいのだ。ワクチン一人分の廃棄は一人の人命の喪失と思わなければならない。

 ともかく、コロナに関しては絶望的なニュースばかりが耳に入る。

 大阪では新規感染者数が1000人を超えたという。正式な数字は明日公表されるのだけれど、中間段階でそれだけの数字をたたき出しているという。当然、1000人以上の感染者がいるはずであり、その他の大都市圏でも事情は同じであると思う。大阪だけに限った話ではないはずだ。

 昨年、中国その他の国で医療崩壊の場面が報道されていたのを思い出す。病院の待合室には診察待ちの患者さんで密集し、それどころか病院の外にまで長蛇の列ができていたりする。中には路上で倒れてしまう人もある。

 その当時は、まだ日本はそこまで行っていないと、対岸の火事を眺めるくらいの気持ちで見ていたけれど、もはやそんな悠長なことも言ってられなくなってきた。確かに同じ情景になるとも思えないけれど、限りなくあれに近い情景が近いうちに日本の方々で目にすることになるのではないかと思う。

 日本には世界に誇るスーパーコンピューターがある。どれだけすごいのかは門外漢の僕には分からない。でも、いくらすごいツールを持っていても活用しなければ意味がない。飛沫のシミュレーションにしか使用されていないのではないか。感染予測なんかは、なぜかグーグル予測あたりが使用される。グーグルの予測が良くないというわけではないのだけれど、そういう重要な計算こそ世界一のスパコンでやってもらいたいものだ。

 昨年、イギリスが発表した予測では、アメリカは今月中に感染が収束するとのことだった。実際はアメリカでも7月頃にずれ込みそうなのである。昨年の予測よりも3か月遅れているということだ。日本は来年の4月という予測だったが、これは3か月どころかさらに大幅にずれ込みそうである。

 出口が見えないなどと言われることがあるけれど、正直に言えば、出口は無いと覚悟しておく方がいいようだ。いつか日本でも収束する日が来るかもしれないが、僕はその日を生きて迎えると信じていない

 まあ、あまり陰鬱な話はしないでおこう。取り敢えず、僕は今日も生きた。今日はひたすら読む日となった。生きているうちに読みたい本は読んでおこう。

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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