3月16日:成功して失敗する人

3月16日(土):成功して失敗する人

 

 朝、起きた時から具合が悪い。膝が痛いと思えば、外は雨だ。寒さもけっこうなものだった。こういうのが案外堪える。気温や気圧が関係するらしい。夢は何か見たのだけれど、身体に目が向いた途端に忘れてしまう。

 出勤時、雨がひどかったので、電車を一本遅らせる。何となく憂うつである。

 

 ピエールという人が今話題だ。なんでもコカインをやってたとかで逮捕されたのだ。今朝のテレビでもその報道を見た。ピエールなんて人を僕はまったく知らない。けど、顔は見たことがある。普段、テレビを見ない僕でも顔を知っているということは、相当有名な人なんだろう。

 実際、歌手でデビューして、俳優や声優なんかの仕事もこなしているらしい。仕事が順調で、乗りに乗っている時に逮捕ということになったようである。

 まあ、ドラッグにハマったのはお気の毒である。芸能界なんかに入らなければそういうこともなかったかもしれない。しかしながら、僕が注目しているのはこの逮捕の時期である。

 人気がなくなって、落ち目の芸能人がドラッグをやったというのなら、まだましである。今がピークというような芸能人がドラッグをやってすべてを棒に振るというようなのが、一番タチが悪い。つまり転落に転落を重ねる人よりも、頂点に立った途端に転落するという人の方がタチが悪いと僕は考えているということだ。

 これは成功した途端に失敗するというタイプの人ではないだろうか。成功は失敗を際立たせるための飾りでしかなかったというようなタイプだ。で、こういう人の何がタチ悪いのかというと、そのパターンを治療に持ち込むからである。

 つまり、治療が成功した途端に元の木阿弥に戻ってしまうという人である。僕にはこういう人は珍しくない。よくおられる。治療なり、カウンセリングなりが最初は順調に進むのである。そして改善もかなり見られるようになるのである。後はこのままいけば無事に終結できると思いきや、これまでの苦労も努力も水泡に帰すようなことをしでかす。

 

 夕方の空き時間に書架を整理しようとした。棚の奥の方から『千葉周作』が出てきた。山岡荘八の作品である。時代物はあまり読まないんだけれど、何となく手にしたのが面白くて買った本だ。

 懐かしいなと思い、つい手にして、項を開いてしまう。これが運の尽きだ。読み始めると面白くて、止まらなくなった。200ページほど一気読みしてしまう。こんなことしてるから書架の整理も終わらないのである。

 

 サイト用の原稿を一本書いた。まだ完成ではない。これを校正したり、加筆修正したりする。取り敢えず形にしなければ改良も改悪もない。まず、ざっと書いていく。ある程度のまとまり、区切りがつくところまで書く。修正や校正はそれ以後で構わない。とにかく一旦最後まで行き着くことである。書くのと修正を同時進行でやってしまうと、頭が混乱してくる上に、疲労が大きく感じられ、とかく中断しがちである。そうならないようにしようと思っているわけだ。

 

 動画広告のことも少しは考えた。3パターンくらい考えて、内容を作って、どれがいいか業者に選んでもらおう。僕のセンスでやるとエライことになってしまうからだ。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー

 

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