3月13日:付き合いたくない会社

3月13日(水):付き合いたくない会社

 

 僕の一週間は水曜日から始まる。今週はヒマ週になりそうだ。まあ、その分先週が忙しかったのだけど。

 

 午前中は空きが生じ、ひたすら書いて過ごした。電話を4本ほど取る。営業その他の電話ばかりだ。電話がかかってくるのはいいことなんだけど、仕事につながる電話がゼロだったのが痛い。

 

 そのうち一件の電話はあるIT系の企業からのものだ。彼らの言うところではITではないらしいんだけど、僕には違いがよく分からない。まあ、何にしろ、サイトの集客のことで何か提案しようとしていたようだ。

 さて、その営業の人が電話で話をしている。その後ろで騒がしい声がしている。手を叩いて、大声で笑っていたりする。明らかに談笑しているようだ。実に不愉快だった。無視すればいいのだけれど、僕はその営業の人に、オフィスから電話しているのか、その場にいるのは他の社員さんか、などと問いただす。その人の答えはイエスである。職場から電話をしており、他の社員が周囲にいるということだ。

 営業の人の言うところでは、その会社のPRも兼ねて、会って説明をしたいということだ。当然、お断りだ。そんな時間を割くのももったいないし、営業の人が営業の電話をしている背後で他の社員がバカ笑い、バカ騒ぎしているような会社とは付き合いたくもない。

 別に後ろで社員さんたちが談笑していても構わないし、オフィスが無音でなければならないとも思わない。他の営業さんの声が聞こえてきても構わない。でも、これはそういう問題ではない。

 要は、同僚が営業の電話をしているのに、周囲がそれに対して配慮を欠いているということだ。同僚に対して気遣いや配慮を欠くようなところは、顧客に対しても同じことをすると僕は勝手に且つ一方的にそう決めつけている。加えて、その集客の提案に関してもきっとそういう無配慮なことをするだろうと決めつけている。この営業さんには悪いけど、そういう会社は願い下げだ。

 

 映画を一本観る。DVDだ。パソコンで見てみた。このパソコン、一応、DVDを見ることができるのだ。初めて知った。しかし、パソコンで見ると目が疲れる。テレビで見る方がいいな。

 

 夜は帰宅時にコンビニに立ち寄る。「すぐにやる人が成功する」といった類のタイトルの本が目についた。タイトルだけ見れば、それだけで内容が全部伝わるといった本だ。近頃、こういうのが流行りなんだろうか。中身を読まなくとも、タイトルだけ見ればそれで内容がすべて分かるといった種類の本だ。

 こういうビジネス書やハウ・トゥ本は、臨床的な視点を有していないものである。「すぐにやる人」というのは自我機能がそれだけ働いているということだろうし、精神的緊張力を保つことができるので、自己が拡散せず、しっかり凝集している人なのだろう。成功するのはすぐにやるからではなく、意志機能が損なわれていないからに過ぎないように思う。僕から見ると、こういうビジネス書は論点がズレているのである。でも、まあ、そういうことは言わないでおこう。実際にその本を読んだわけでもないし、単にタイトルを横目でチラリと見たに過ぎない人間に批評は許されない。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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