2月6日:直帰者歓迎

2月6日(日):直帰者歓迎

 昨年度のサイトデータを集計している。やはり激減している。一昨年と比較すると半分以下だ。三分の一くらいだ。これを何としてでも回復させ、一昨年よりも上回るようにしなければ。
 このデータに関して、僕が見るのはユーザー数と閲覧ページ数だけである。何人の人が入ってきて、何ページ開かれたというそれだけだ。その他のデータはまったく参照しない。

 サイトに滞在した時間なんかも見ることができるのだけれど、僕は重視しない。直帰率が高くても気にしないし、むしろ直帰者は大歓迎だ。というのは、直帰した人はまた入ってくる可能性が高いからである。
 僕もたまにネットで検索するけれど、やはりそれがある。入って、ここは違うなと直帰するのだけれど、しばらく他のサイトを探していると、またそこに入ってしまったりする。あるいは、後日、先日もこのサイトに入ったなといったこともある。要するに、直帰すると記憶に残らないので、またウッカリ入ってしまうなんてことがあるのだ。
 二度三度と入っては直帰していると、何となく覚えるようになる。次に入った時には、少し中身を見てやろうって気になることもある。僕のサイトもそれでいいのだ。繰り返し直帰して、やがて中身を見るようになってくれればいいのである。

 それに僕のサイトは、ある種の人たちには直帰してもらうような作りになっている。つまり、ある種の人にとってはすぐに出ていきたい気持ちになってもらえるように作ってある。そのような人にとって、僕のこのサイトは、魅力的にではなく、怖いという印象を受けるだろうと思う。
 だから直帰してもらってよいのである。やがてその人の中で抵抗感や恐怖感が薄れてくれば中身を見るだろう。そして、閲覧してスルーするだろう。何も印象に残らないとか、どこに何が書いてあるかわからないなどと不平不満を述べられることだろう。それも構わない。不愉快な気持ちになってもらって構わないのである。
 そういう人にはあまり来てほしいとは思っていないのである。だからスルーしていただいて結構なのである。しかし、そのうちの半数はまた戻ってくるだろう。というのは、不愉快な気持ちになるということは、明らかに何らかのものがその人の心に影響し、内在化しているのである。何らかの刻印を残しているということだ。その人たちの中にも、不愉快な感情を自分の中で処理できる人もあるだろうと思う。そうして自分の中で不愉快さを低減できる人は、再びこのサイトに入る可能性があるわけだ。不愉快な感情を、処理できずに、そのまま持ち続ける人は永遠に僕のサイトを敬遠するだろうと思うが、それで構わない。そういう人はカウンセリングに耐えられないからである。

 そこがIT屋の見解と異なる部分である。IT屋は誰にでも来てもらえるような提案をしてくる。僕はそこで最初の選択をしたいのである。カウンセリングに耐えられる人だけに来てほしいと思っている。だからどうしても選別しなければならないのである。その最初の段階にこのサイトがあるというわけだ。
 商売でも同じである。売っていい客と売ってはいけない客とを選別しなければならないのである。どんな分野でも、その商品を勧めていい客とそうではない客とがあるわけだ。そして、売っていい客を選んでいるのだ。腕のいいセールスマンや営業マンはそういうことをしているものだと僕は思っている。売れればいいという発想ではないはずである。
 僕もこのサイトでそれをしている、というか、それを目指しているのである。

 直帰率は高くて結構なのである。
 ユーザー数は見るけど、この数はあまりあてにはできない。というのも、閲覧するユーザーの皆が皆カウンセリングを求めているとか、カウンセラーを探しているとかではないからである。営業の人なんかも閲覧するものである。だから半数はカウンセリングに関心を持っていない閲覧者だと思っている。
 そこで閲覧ページ数のデータを参照するわけだ。ユーザー数が多くても閲覧ページ数が少ない場合、ほとんどカウンセリングに関心を持たない人たちが閲覧しているものと考えてよさそうである。
 カウンセリングに興味を持つ人であれば、少なくともいずれかのページを開いてみるだろう。従って、ユーザー数が少なくて、閲覧ページ数が多い日は、そこにカウンセリングを求めている人がいると仮定してよさそうなのだ。そういう日のデータを重視している。

 さて、僕の考えはともかくとして、当分はデータとにらめっこする日が続きそうだ。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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