2月3日(金):気が重い
今日は朝から何かと忙しく動いた。昨夜のうちに留守電が入っていた。クライアントさんからだ。夜中に電話してくるなんて、何かよっぽどのことが起きたのかもしれない。心配して電話をかけるがつながらない。僕から電話をかけたという履歴は残るだろうから、また後でかけてきてくれるだろうと信じ、その件はそれで終える。
その後、朝の一件の仕事をこなす。
昨日、夕方頃だ。出版社さんからの契約書が届いた。昨日はざっと目を通した程度だったが、今日、きちんと読もうと決めていた。昼休みに読もうと思っていたが、その昼休みに出版社さんから電話がかかってきた。契約書の記入の件なんかを僕からも尋ねた。
昼休みは、結局、契約書を読むことで費やされる。実は、そこでもう一件契約書が届いた。目を通すものがまた一つ増えたわけだ。
午後からのクライアントを待つ。あれっ、お見えになられないぞ。時間を見ると2時を過ぎている。おかしいなと思う。予約表を確認すると、これは僕の勘違いで、いつもは2時に来られるその人が、今日は3時半からになっていた。
昼休みが潰れたので、ここで小休止を入れる。15分ほど横になる。今日は膝の具合もよろしくない。痛みはましだけど、うまく動かない感じがしている。今朝、起きた瞬間から、膝の調子が分かるようになってきた。具合が悪いと思うと、気が重たくなる。
そうだ、お昼を食べていない。それに気付いた僕は、飛び起きて、持参してきた弁当を広げ始める。すると、ちょうどその時に電話がかかってきた。昨夜、留守電に吹き込んでくれていたクライアントからだった。用件を伺って、少しだけそれについて話し合って、終わる。15分くらいがここで費やされた。
3時15分。15分後にはクライアントが来る。お昼を食べるかどうするか。15分で詰め込んでもいいけど、早食いするとしんどくなりそうだ。そう思うと、広げた弁当を僕は仕舞った。タバコの一服だけにしよう。15分あれば、タバコくらいは吸えるだろうし、換気も間に合うだろう。
タバコを吸う。その直後にクライアントが来られた。予定よりも10分早くお見えになられた。3時20分に来られたのだ。今日はタイミングの合わないことが多い
面接終了。夕方の5時だ。まず弁当だ。契約書に記入しないといけないと思う。でも、今から書き始めると、6時からの仕事のために中断するかもしれない。もう止めだ。次の仕事に備えておこう。
6時からもう一件の仕事をこなす。仕事を終えて、後片付けをする。もう8時になろうとしていた。今から契約書を書いて、投函して、と思ったが、もう面倒だ。今日は止めだ。明日にしよう。
職場を後にすると、飲みに行く。いつもの店に入る。珍しいことに若い女性客がいる。二人組の女性客だ。新しいお客さんだ。こういうお客さんを大事にしないと、このお店が潰れてしまう。そう思うのに、常連で、お喋りのじいさんがこの二人を捕まえて延々とお喋りを続けている。ママさんの話だとずっとそれをしているそうだ。ああ、これはもうダメだ。この二人は今後はこの店に来ない。僕は確信した。
大体、友達どうしで飲みに来て、見ず知らずのおじさんの話を延々と聞かされるなんて、何が楽しいものか。僕はそう思うのだ。友達どうしでお喋りしたいことだってあるだろう。そりゃ、見ず知らずの人と親しくなるのもいいだろう。でも、限度ってものがあると思うのだ。結局、彼女たち、2時間半もあのじいさんの話を聞かされていたのだ。さすがに、それはやり過ぎである。
気を取り直して、2軒目に行く。いつものバーだ。ああ、カラオケ狂の彼がいる。カラオケはいいのだけど(ホントはよくないと思っている)、彼は大声で歌うのだ。マイクを通さなくてもいいくらいだ。店の人と会話をしていると、案の定、彼の大音響が轟く。落ち着いて会話もできない。
そこにドヤドヤと団体客が二組やってくる。ああ、こりゃもうダメだ。行きつけのお店が繁盛してくれるのは嬉しいのだけど、この空気になるともうダメだ。落ち着いて飲むことも、店の人とゆっくり会話することもままならなくなる。
規定量を飲むと、僕は店を出る。この気の重くなるような一日を終えないといけない。そう思いつつ、帰路に着いた。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)