2月27日(月):映画の話
映画は子供の頃からよく観ていた方だったのだけど、映画好きのYさんの影響もあってか、最近は特によく観るようになった。
テレビで放映されたものを録画したりして、未だ観ていないものもたくさんある。いつか観ようと思って、そのままになっているのだ。これから少しずつ観ていこう。
大抵はDVDで観る。廉価版か中古品を購入する。先日「007 私を愛したスパイ」を980円で発見した時は迷わず購入した。
意外に思われるかもしれないが、けっこう「007」シリーズが僕は好きなのである。それも初期の頃のやつがいい。007はショーン・コネリーからロジャー・ムーアまでに限る。
このシリーズは、アクションシーンよりも、悪役が肝心なのだ。僕は必ずそこを評価する。悪役には、用心棒のような殺し屋がセットとなっているのだけれど、悪役と用心棒が共に魅力的だと、どれだけ秘密兵器がバカバカしくて、マンガっぽくても全然構わないと思えてくるのだ。
悪役で好きなのは「ゴールドフィンガー」(俳優さんの名前を忘れてしまったけれど)だ。「女王陛下の007」のテリー・サバラスもいい。「二度死ぬ」のドナルド・プレザンスも好きだ。
用心棒の殺し屋では「ロシアより愛を込めて」のロバート・ショーが雰囲気があっていい。「ゴールドフィンガー」のブーメランのように帽子を投げる(その帽子の鍔が刃物になっている)あの殺し屋もいい感じである。そして極め付けは「私を愛したスパイ」のジョーズ(リチャード・キール)である。初めて見た時はすごくインパクトがあったね。ジョーズだけは同じ役で二作(後の「ムーンレーカー」にも登場している)出ているけれど、このような例はジョーズだけではなかろうか。
「私を愛したスパイ」であるが、イアン・フレミングの原作の方は、シリーズの中でもあまり評価は高くないようだ。しかし、映画の方は面白い。「アラビアのロレンス」や「ジョーズ」といった他の映画のパロディも散りばめられていて、随所に遊び心がある。
ボンド・ガールがバーバラ・バックである。でも、もう一人(実際は他にも登場するのだけれど)美女が登場する。キャロライン・マンローという女優さんで、敵側の一味として「ナオミ」役で登場する人だ。この人はスタイルもよく、美人なのに、なぜかB級映画にしか出ていないという人だ(もっとも、出演作をすべて把握しているわけではないのだけど)。悪役はクルト・ユルゲンスで、常に不機嫌そうで、苦虫を噛み潰したような表情は悪役としていい感じとは思う。しかし、ジョーズにすべてのインパクトを持って行かれたような感じもある。
僕の個人的な感想では、シリーズの後になるほど、魅力的な悪役が登場しなくなっている感じがしている。悪役に個性が感じられなくなるのである。主人公のボンドもまた然りである。
ティモシー・ダルトンやダニエル・クレイグもいい俳優さんではあるのだけど、ボンドがカッコよくなり過ぎているのである。美女の後を追っかけて、落とし穴にはまる(「二度死ぬ」)ような、人間臭い初期のジェームス・ボンドが、やはり僕は好きだ。
別に興味のない人にはどうだっていい話だったかもしれないけれど、時にはこうして映画のことも書いていこうと思っている。読まされる方はたまったものじゃないかもしれないけど、その辺りはご勘弁を。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)