11月26日:いろんなことのあった日

11月26日(土):いろんなことのあった

 

 今日は今月最後の土曜日だ。今月だけ土曜日は朝に工場のバイトに行く。研修のためである。

 しかしながら、この研修が実にずさんである。僕がこの研修を受けて、検査技能を身につけたとしても、誰もそれを評価する人もいないのだ。そればかりか、僕が研修を受けているということすら知らない人たちも多いだろうと思う。一体、何のための研修かと思ってしまう。

 本当はやる気がないのだけれど、そういう約束をした以上、僕は出勤する。契約だけは守る人間になりたいとも思うからだ。

 それに、この研修はまるで意味がないとしても、今後、朝に来て研修を受けてくれといった要請をされなくなるだけでも儲けものだ。

 

 ともかく、工場に着く。研修で教えてくれる人が今日はお休みだということもその時に知る。こういうことが起きるから無意味感に襲われてしまうのだ。

 それはさておき、勤務はきつかった。時期的にヒマな時期に差し掛かっており、モノが流れてこないのだ。時間が余ってしょうがない。

 午後からパートのおばさんがくるのだけれど、この人だけが救いだった。面白いおばさんだ。おまけに相当神経が図太いときている。少なくとも最後の2時間は楽しませてもらった。

 

 勤務を終えると高槻に向かう。

 工場から駅の間のコンビニで少し一服。お昼がまだなので空腹でもあるが、どこかで食べるとこの後の予定に間に合わないかもしれない。どうするかで悩んでしまう。

 結局、先に高槻に着いておこうと決める。

 電車の中でグッと疲労感に襲われる。座って休みたいところなのに、電車の中は人が多く、空席が見つからない。これ、みんな遊びに行っているのだろうな、などと思い、いささか憤慨しながら高槻に到着した。時刻は15時を過ぎていた。16時の面接に間に合わせなければ。

 職場入りする前にコンビニに入って、おにぎりなんぞを買っておく。面接前に食事をしておこうと決めたのだ。

 職場入りして、おにぎりを一気食いする。いささか胸やけがする。

 着替えをして、面接の準備をする。贅沢を言えばすこしだけ横になりたいと思ったが、そんな時間はなさそうだ。

 

 16時に予約のクライアントがお見えになられた。大切な話をしてくれているのに、睡魔に襲われ続けていた。16時半ごろが睡魔のピークだった。

 ダメだ、今日はまったくの不調だ。このクライアントを失うかも、そこまで思いつめてしまった。でも、このクライアントは僕の不調をあまり気になさらなかったようで、次回も予約を取ってくれた。こうしてクライアントに助けられながら、これまでどうにか仕事を続けてきた。こういう幸運がいつも訪れるとは限らないということも肝に銘じておかなければ。

 

 面接後、パソコンを開き、新しいHPの公開作業ができるようにセッティングしておいた。本当は昨日のうちにやるつもりだったのに、一日延びてしまった。

 管理画面なんぞを開く。以前使っていたのと似ている。同じような感覚で公開、更新作業をすればよさそうである。そう思えると気もラクである。一から新しいことを覚えるとなると、ちょっとたいへんだななどとも思っていたからである。

 

 夜はいつもの呑み屋に顔を出す。相変わらずのメンバーだ。

 最初は楽しかった。最後の方は「もうコイツらともええかな」という気持ちになっていった。彼らと縁が切れても構わないような気持ちになっていった。

 要するに、酔っぱらいが面倒くさく思えてきたということなのだ。酒は飲みたいけど、酔っぱらいとは縁を切りたいということだ。

 

 電車に乗って、帰宅。駅からとあるコンビニまで行く。そこのコンビニが深夜勤務を募集しているかどうか見に行ってみた。

 あいにくなことに募集はあっても、深夜の時間帯ではなく、朝から晩までの時間帯の募集だった。

 いくぶんガッカリしながら、バイトしている方のコンビニに足を運ぶ、次のシフトを見ておくのを忘れたからである。事務所に入っていくとバイトの人がいて、シフトならラインで確認できますよ、と親切に教えてくれた。それでもいいのだけれど、僕はシフト表で確認したかったのだ。

 シフト表で確認だけして、すぐに店を出る。深夜勤務できないのなら辞めます、と店長にメールを送りつけようかとも考えた。

 しかし、早まってはいけないと思い立つ。今日はお酒を飲んでいて、そんな酔っぱらった状態でいかなる判断も決定もしてはいけないのである。

 とりあえず、近くのラーメン屋に入る。僕の中では最高のコンビネーション、メタボからすると最悪のコンビネーションである、ラーメン&ライスを注文する。考えてみれば、今日一日でまともな食事と言えるのはこれだけだった。

 腹が膨れると少し落ち着いてきた。そうだ、あのコンビニが朝から晩までの時間帯を募集しているのであれば、その時間帯に働いてもいいのだ。今のコンビニを辞めなくてもいいのだ。深夜勤務ができなくてもいいのだ。週にもう10時間ほどバイトが増えればなんとかなりそうなのだから、それが昼間であってもいいわけだ。一つ選択肢が増えたことになる。深夜のシフトに入れないなら辞めますなどと、早まらなくてよかった。

 そうして帰宅となる。なんともいろんなことのあった一日だった。

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー

 

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