11月10日:十か月目

11月10日十か月目

 

 今日は僕がお酒を止めてちょうど丸十か月の日だ。よくまあ、これだけ続いたものだと思う。もちろん今後とも続けていくのであるが、これだけ断酒が続いたのは初めてのことである。過去最高は四か月だったが、その時の四か月の方が遥かに苦しくて、長かったという印象がある。

 僕は今回の断酒が続いて、一年止めることができたら、アルコール問題に取り組みたいという、一つの夢と言うか目標というか、希望みたいなものを抱いていたのだけれど、それが現実になりそうである。

 今はタバコ税の値上げが言われているけれど、これはそのうち酒税にも及ぶはずなので、早めに断酒に取り組んだ方がいいと僕は考えている。酒はタバコほど問題視されていないかもしれないが、こんなものは簡単で、医師たちが酒は体に悪いということをアピールすれば、瞬く間に今のタバコや喫煙者に対するのと同じ態度を酒や飲酒者に対して持つようになるものである。そうなると、酒を止めようと思う人がたくさん出てくるはずである。その人たちに何かできることがあるはずだと、僕は考えている。

 もっとも、医師たちが何も言わなくても、自分の飲酒には問題があると感じている人はたくさんいる(少なくとも高槻にはたくさんいるはずである)と思う。そういう人たちに、断酒の手伝いができればと計画しているのである。

 生まれながらにして酒飲みだった人は一人もいないはずであり、酒呑みはすべて後から身に着けたものである。先天的なものでないということであれば、それは変えていくことができるものである。酒を止めたら止めたで、それもまたいいものである。そういう経験を問題飲酒者に体験する機会を提供できないものだろうかと考えている。どんな酒呑みでも、断酒はできるはずなのである。

 ちなみに、断酒会は、僕の場合、あまり意味がなかった。というのは、そこでは体験談は話すけれど、フィードバックもないし、基本的に酒を止めるということを目標としていて、その先にあるものを目指していないのである。僕が始める時は、もっと違った形にしたいと考えている。もっとも、具体的な案は何一つ出ていないのだけれど。

 何よりも、断酒に取り組みましょうと言う人が、一年も断酒ができていないようでは恥ずかしいものである。続く二か月、僕はアイデアを温めながら、断酒していくつもりである。

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー

 

 

 

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