10月29日:二度目の舞鶴行き 

10月29日(日):二度目の舞鶴行き 

 

 今日は両親たちが舞鶴に行くというので僕も便乗させてもらった。親たちは5月と同じルートを行く。今回は兄夫婦たちが一緒なので、彼らのために同じルートを行くことになる。そのルートは前回経験済みなので、僕は別行動をとらせてもらうことにする。 

 

 その前に深夜勤務がある。今回はローソンの方だ。朝6時に終了のはずが、6時からの人が来れなくなったので、僕が交代となった。その人が交代を希望していたことは前々から分かっていて、それが僕のところに回ってこないことを祈っていたのだけれど、結果的に僕が引き受けることになった。他に人が見つからなかったのだろう。それはいい。 

 22時から翌朝9時まで。11時間か。なかなかの長丁場だ。11時間勤務は構わないのだけれど、長時間働くときは最初に飛ばし過ぎないようにするのがコツだ。ペースを落として、最後まで走り切ることを目指す。 

 そのはずが、どうも中盤でペースを落とし過ぎたようだ。最後の方はけっこうバタバタになった。まあいいことにしよう。普段は入らない時間帯に入ったので、分からないこともけっこうある。なんとか無難に勤務したらそれで良しとしておこう。 

 

 さて、9時に勤務終了。朝食を買って母たちが来るのを待つ。ローソンで僕を拾ってもらうことにしたのだ。 

 家族が来る。僕も車に乗り込む。兄が運転するのか。大丈夫かいなと思いつつ、車内で朝食。 

 腹が減っていたのでガッツリ食おうと思った。それで最近新発売のバカでかいコロッケパンをチョイスした。普通のコロッケパンはコロッケが一つなんだけれど、これは二つ入っている。通常の倍の分量で、正直、値段も倍である。コスパがいいのかどうかはよくわからない。 

 サイズをでっかく(または小さく)するというのは、創造性としては高くないものである。まず、誰もが思いつくようなものだ。こういうのを売り出すなんて、ローソンも案外芸がない。 

 しかもである、食べているといい加減飽きる。コロッケ二つ入れるのは構わないけれど、味を変えてほしいところだ。一つは普通のコロッケ、もう一つはカレーコロッケとかクリームコロッケとか、なんでもいいのだけれど、種類を変えてほしいところだ。味変も楽しめるとよろしかろうと思うのに。 

 コロッケパンのネタだけでずいぶん分量を食った。まあ、結果的に、このコロッケパンが救いになったのだ。お昼も夜も、何も食べたい気分にならなくなったのである。 

 

 さて、舞鶴は雨だ。降ったり止んだりといった不安定な天気だ。 

 最初は五郎が岳だ。彼らは展望台のタワーに上るという。僕は周辺を散策する。 

 タワーの脇から下へ下る道がある。階段続きだ。しばらく進むと遊具が見えてきて、広場がある。屋根のある休憩所がある。ちょうど雨がきつくなってきたので、そこで雨宿りがてら一休みすることになった。眺望はあまりよくない。天候のためというよりも、藪のためといったところだ。 

 雨が少し小止みになったところで、僕はもう少し先を歩いてみる。道は広く、ほとんどが階段状だ。次に出てきたのはトイレだ。ここで用を足す。 

 さらに歩いて松の広場なるところへ出てきた。この先も道が続いている。なるほど、近畿自然歩道とつながるのか。ここからは道幅が狭くなる。それにあまり遠くまで行くと、帰ってくるまでに時間がかかる。ということで、ここで引き返す。 

 途中までは来た道を戻り、タワーへは下るときとは別の階段を上った。この階段がひどいもので、まるで手入れがされていないんだな。藪漕ぎしながら上がる羽目になった。 

 ところで、この道、下から上まで約3キロだ。僕は500メートルほど下って、また上ってきただけである。制覇したとは言えないな。でも、これで良しとするか。 

 タワーの駐車場に戻る。なんと、母たちの方が遅かったのだ。もう少し散策してもよかったな。 

 

 再び車中の人となる。 

 次は舞鶴の赤レンガ街だ。彼らは昼食をとり、赤レンガ資料館を見学して、フェリーに乗るのだろう。それは僕も前回経験済みなので、僕は別行動にする。 

 別行動といっても、特に計画を立てていない。事前に調べておけばよかった。とにかく赤レンガ資料館の方へ行って、周辺地図を見る。道路を挟んで夕潮公園なるものがある。そこに行ってみるか。 

 この公園はこぶが二つある丘で、周遊コースが整備されている。こぶにはそれぞれ上ることができる。両方に上ったが、とりたてて言うこともない。天気が良ければそれなりに景観も楽しめるのかもしれないが、今日はあんまりである。 

 公園を後にする。体育館がある。ここは前回工事中だったように記憶している。この体育館の入り口付近に喫煙場所がある。以後、何度かお世話になる場所だ。まずは一服だ、えらくガタイのいい兄ちゃんがいたけれど、あれは海軍の人だななどと勝手に思い込む。 

 一服を終える。行く当てもない。とりあえず道路を歩いてみるか。 

 ラーメン屋がある。朝のコロッケパンで満腹状態が持続しているけれど、ここまで来た記念にラーメンでも食ってみるか。 

 道路の対岸にあるラーメン屋。そこに行くのに地下道を利用する。この地下道がなかなか良かったな。レンガ造りになっていて、雰囲気がある。通路の壁にアニメキャラのポスターが貼ってある。なんだこの美少女たちはと思ったが、そうか「艦隊コレクション」とかいうアニメなんだな。名前だけは知っているのだけれど、あれは舞鶴が舞台になっているのか。 

 さて、ラーメン屋だ。どんだけ人が待ってるねん。一応、名前を記入して順番を待つものの、ラーメン気分が急下降していく。加えて、後から後から人がやってくる。どれだけ人気店かいなとも思うのだけれど、昼時で、他に食べるところがなく、おまけに回転率が悪い(ように思う)ので客が並ぶだけのことのようだ。 

 気分が萎えたので、僕はラーメンを食べずに店を出る。 

 

 ラーメン屋を出て、どこに行こうか。 

 すぐ近くに「北吸公園」とある。雨が降ってきたが、まあ、行ってみるか。傾斜道を上がる。公園といっても、サッカーグラウンドが一つあるだけのものだ。公園というよりもグランドといった方がいいな。見どころは何もない。北吸というのはこの辺りの地名なんだな。 

 北吸公園を出て、地下道をくぐって、再び体育館脇の喫煙所へ。この後、どないしたもんかいなと思う。その辺を見渡すと小高い茂みが見える。片っ端から行ってみようかとも思うが、雨の中を歩くのも億劫になってきた。 

 とりあえず赤レンガ倉庫街を歩いてみる。舞鶴歴史館のような施設があるので、見学する。無料だから入る。2階にあって、ぐるりと一周するだけだ。 

 続いてみやげ物店に入る。特に買いたいものもない。海軍カレーが名物だ。いろんな種類がある。どれもレトルトのくせに800円とかしおる。400円くらいだったら買ってもいいなと思ったけれど、やめておく。その他、お菓子とかスイーツの類もあるけれど、どれも食指が動かず。海産物系の加工食品なんかもあったが、どうもなあ。ということで、何も買わずに出る。 

 フードカーが3台ほど出ている。ここで買って、その辺のテラスとかベンチで食べるのもいいんだろうけど、この雨じゃしょうがないな。生ビールだけ買う。こんな生ビールが500円か。まあ、いいか。でも、このビール、妙に美味く感じられたな。銘柄は何だったんだろう。苦みがなく、スッキリした味だった。満喫したのだから500円の価値はあったかな。 

 そういえば、ラーメン屋の先にセブンイレブンがあったな。看板が見えた。用もないけれど行ってみるか。あのラーメン屋の前を通るのは気まずいので、今度は信号を経由して対岸に渡る。 

 買うものもないのにセブンに入る。こういう客が一番嫌いだと言いつつ、自分がその身分になってしまった。セブンで時間を潰す。キッスの「ロックンロール・オールナイト」が聞こえる。舞鶴にいるのか、地元にいるのか、よく分からんようになってくる。 

 結局、ここのセブンで缶ビールとパンを買い、駐車場で飲食する。ますます舞鶴にいるのか地元にいるのか、非日常と日常の区別が曖昧になってくる。信号を無視して、自転車をぶっ飛ばしてやって来た若者二人。田舎のヤンキーみたいでカワイイものだ。向こうも「なんやこのオッサン」などと思ったかもしれんな。 

 セブンを後にする。また体育館脇の喫煙所で一服だ。あとはブラブラせずに、車内に留まろうと決める。そこで仮眠を取っておくのもいいか。 

 とは言え、僕が車に戻ると、ほどなくして母たちが帰ってきた。 

 

 次は引き揚げ記念館だ。前回来た時に、記念館の裏の方から展望台に上がる道があるのを見た。そこに上がってみたいと思っていた。前回のやり残しをやっておこう。彼らは記念館に、僕は展望台へ。 

 道はきれいに整備されていて、春だと桜並木になるそうだ。歩いていて気持ちいい。 

 展望台まではすぐだ。10分~15分もあれば到着する。 

 展望台は広場になっていて、休憩所もあり、石碑もあり、オブジェもある。このオブジェはなかなか良かった。展望台からは桟橋が上から眺めることができる。広場をグルグル回って下りる。 

 下りながら、なぜか「ジオラマ」ということを考えた。上から景色を眺めるということを繰り返したからだろうか。ミリタリーで戦場シーンをジオラマにするというのは分かるし、街並みを作って鉄道模型を走らせるというのも趣味としては理解できる。でも、古民家を作ったり、大名行列を作ったり、ああいうジオラマは理解できんななどということを考えていた。 

 大人と子供がいる場合、下から見上げるのは子供の方だ。上から見下ろすのは大人の側だ。見下ろすといっても軽蔑するとかいう意味ではない。身長差があるからそうなってしまうだけのことだ。僕も明日で52歳になる。そろそろ大人の立場に立たんといかんなということだろうか。 

 

 さて、再び車中の人となる。彼らは桟橋を見学するが僕は車に残る。それから帰宅となる。 

 道中、市場に寄る。前回も立ち寄った市場だ。サーモンのユッケ風のが今回もあれば買うつもりだったが、今日はなかった。代わりにアジのコロッケ風のを買った。さっそく一個食してみたけれど、それだけでしっかり味がついていて割と美味しかった。 

 

 それから帰宅。彼らは途中で夕食を取る計画だけれど、僕だけ先に家に送ってほしいと頼む。さすがに帰宅が遅くなるのは困る。少しは寝て今晩の深夜勤務に備えたいのだ。僕の要望が通る。帰宅してすぐに寝る。 

 寝たのにどうしてこのブログが書けているのかって、実はこのブログは翌日に書いているのさ。 

 それはさておき、僕だけ別行動だったけれど、僕は僕で今日を満喫した。前回行きそびれた所、気になる所なども見ることができた。有意義な一日だったと思う。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

 

 

 

関連記事

PAGE TOP