10月1日:京都の飲食店にて

10月1日(水):京都の飲食店にて

 昨日、午後から図書館に行った。本を返却しなければならなかったからだ。
 その帰り、古書店に入って、以前から購入しようと思っていた本を買う。5冊ほど買い込む。
 その後、河原町の方まで出て、喫茶店にて、買ったばかりの本を読みふける。気が付くと夜8時を回っていた。
 何か食べようと思い立つ。せっかくだから普段行かないようなお店に入ろうと思う。普段というのは、要するに高槻辺りで見かけるようなお店のことだ。ラーメン、牛丼、王将など、今日はそうした店には入らないということだ。
 いくつか見て回る。とある店に決める。その店は夜10時閉店と書いてある。今、まだ9時になっていないから大丈夫だと思い、店内に入る。
 店内に入った途端、店員が「今日はもう閉店です」と言う。中では何人かのお客さんが飲食しているのが見える。店員が閉店だと言うのだから、仕方なく、僕はそれに従う。店外に出て時計を見る。9時前だった。
 あの店員、客を品定めしやがったなと思う。10時の閉店で9時前に客をシャットアウトするなんておかしいと思っていた。
 いや、品定めされて落第点を貰う僕の方にも問題はあろう。しかし、あの店員のモノの言い方が腹立たしい。気分が優れない。晩御飯は諦めて、ビールでも飲んで帰ろうと決める。
 あるお店に入る。そこでも「9時半ラストオーダーです」と言われる。一杯くらいは構わんだろうと訊いて、カウンターの席に着く。横で年配の男性が一人座ってビールを飲んでいる。
 その年配の男性がビールのお代わりを注文した。男性店員がそれを受け付けたのだが、彼は新人の女性店員に仕事を教えるのに夢中になっていた。
 しばらくしてその男性が怒り出す。「さっき、ビール、注文しただろう」と。男性店員は忘れていたのだ。思い出したように慌ててビールをサーバーから注ぐ。気を利かしたのは新人の女性店員だった。彼女がその男性に謝ったのだ。
 男性は、「君じゃない。僕が注文したのは彼だ、彼が謝るべきだ」と言う。まったくその通りだ。男性店員もビールを置いてから謝る。でも男性客は譲らない。「もっとちゃんと目を見て誤れ」と迫る。
 傍で見ていた僕はこの男性客に同感だね。男性店員は何かしながら謝っていたのだ。せめて作業を中断して謝った方がいいのに、どこか気に食わない店員だった。
 京都では二度と飲食してやるかと心に誓った瞬間だった。
 前々回くらいに京都を歩いた時にも同様の風景を目にしたのを思い出した。やはり店員の態度を客が叱っていたのだ。高槻ではあまり見かけない光景だと思うのだが。
 まあ、これは要するに客に対する無関心と言うか、関心の低さが招いていることなんだろうと思う。伝統とか格式とか、そんなことばかり関心の的にしているような店が京都には多いと感じる。改めなければいけないところじゃないかと僕は思う。
 ちなみに、僕がビールを飲んだ店でのことだが、男性店員が新人の女性店員を指導している。それもお客さんの居ない所でやってくれないかなと思う。どうしても客前で教えなければならないこともあるだろうけれど、それ以外の事務的なことなんかは客が引けてから教えればいいことじゃないかと思う。
 おかげさんで、そのお店の一日の売り上げがどんなもので、売上金がどこにあり、どこに持っていくかまで、僕に筒抜けだった。不用心過ぎる。ホンマに、襲われても知らんぞと僕は思うね。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

(付記)
 昨日の休日のことをダラダラと綴った日記だ。日記だからこれでいい。文章も構成も拙い点ばかりが目に付いてしまう。
 それはともかくとして、京都の店はホントに好かんのだ。店員に対しても腹の立つことが多い。
(平成29年2月)

 

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