1月5日:一日を無事に

1月5日(金):一日を無事に

 仕事始めから二日目。今日と明日は大して仕事も入っていない。本調子になるのは日曜日からだ。

 一応、今日も予定の仕事はある。それは無難にこなす。

 それ以外の時間はもっぱら本を読んで過ごす。『日本人の攻撃性』を読み始める。空き時間に少しずつ読んで、読み終える。なかなか面白い本だった。これの読書評は明日にでも書こう、

 その他、昨日辺りから読み始めた「ミイラ物語」も読み続けている。3分の2ほど進んだ。

 サイトの原稿は、今日はちょっとばかり頑張って、3項分ほど書いた。これはまだ完成ではなくて、今後手直ししていかないといけないのだが。

 帰宅する。夕食をとりながらテレビを観る。ビートたけしさんの偉人の死を巡るミステリーをやっていた。少しだけ観る。

 聖徳太子の話があった。太子は10人の話を同時に聞くという。僕はあれは本当だと思う。恐らく、人が考えているほど難しいことではないかもしれない。というのは、交響曲を聴く。第1バイオリン、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦楽、フルート、クラリネット、ファゴット、オーボエの木管、トロンボーン、ホルン、トランペットなどの金管、さらにはティンパニなどの打楽器、こうした音を聞き分けることができる。同時に音を聞きながら、それぞれがどのように動いているかを、もちろん訓練を積んだらの話だけど、一つ一つ聞き分けることもできる。10人の話を同時に聞くっていうのは、そんなに不可能なことではないかもしれない。もっとも、僕にはできないけど。

さて、その後は、昨日買ったマカロニウエスタンを観る。

 今号の「西部のリトル・リタ」を観る。ああ、ミュージカルだ。僕の苦手な分野だ。ドラマの最中に急に歌いだし、踊りだすパターンだ。苦手だ。忙しない。

 しかし、映画自体は面白かった。随所にマカロニウエスタンのパロディが散りばめられていて、マカロニ・ファンには嬉しい限りだ。

 当時、人気絶頂だったイタリアの女性歌手リタ・パヴォーネを主役に迎えた映画で、はっきり言ってアイドル映画である。僕はこれをマカロニとは認めないぞ。

 でも、脇役がいい。酋長にゴードン・ミッチェル、リタの恋人役にテレンス・ヒル、山賊の親分にフェルナンド・サンチョときた。冒頭のフランシスの連れていた男もなんかの作品に出ていた人だ。バーテンダーは他作品のギャンブルじじいではないか。裁判官はジーノ・ペルニーチだ、これは間違いない。エンディング・ロールではロマノ・プッポの名もあったけど、どこに出ていたのかな。そうそう、町のトランペット吹きは、現実にトランペット奏者であるニニ・ロッソであるらしい。

 とにかく、今日も無事に終わる。今はこれだけが救いだ。一日が無事に終わること。

 最近は死を意識することが多くなった。明日も生きているかどうか不確実なのが生というものだ。朝、いつものように起きれても、その日一日を無事に終えることができるかどうかさえ、本当は、定かではないのだ。無事に終えることができるというのは本当にありがたいことだ。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

関連記事

PAGE TOP