1月30日:キネマ館~ダールトンのボンド

1月30日(木):キネマ館~ダールトンのボンド

 

 昨秋から映画を観ることがなくなってきたんだけれど、今年に入ってちょくちょく観るようになった。以前ほど数は多くないけれど、何作か観た。今月観た映画をいくつか記録に残しておこうと思う。

 

『007/リビング・デイライツ』

 まずはジェームズ・ボンドからだ。ロジャー・ムーアまでのボンドはよく観たものだけれど、以後はあまり観ていない。きちんと観ようと思ってレンタルした。

 本作はもうイアン・フレミングの原作ではなかったと思う。原作の方はほぼ全作品映画化されたはず。本作ではボンドはスパイを暗殺していく謎の組織と戦うのであるが、ストーリーはよく練られていて、起伏に富んでいる感じがした。それに見せ場もふんだんにある。

 ボンド役は4代目となるティモシー・ダールトン。ボンド役が変わる時、ボンドのキャラも微妙に変化しており、それぞれのジェームズ・ボンド像がある。ショーン・コネリーのボンドは敏捷というかすばしこそうで、どこにでも入り込むといった像がある。ジョージ・レイゼンビーは洒落者のボンド、ロジャー・ムーアはもっと紳士的なボンドと、それぞれの像が僕の中にある。ティモシー・ダールトンのボンドは、快活でスポーツマンといったボンド像だ。言い換えれば一番健康的なボンドだ。飲酒シーンや女たらしのシーンがほとんどないのも健康的である。ダールトンのボンドもなかなかいいなあと思った。

 チェロ奏者役で登場するボンドガールもなかなか可愛らしいお顔の女優さんだ。名前は失念してしまったけれど、日本人ウケしそうな感じだ。いや、違うな、僕ウケしているだけかな。なんて言うのか、それまでのボンドガールとは違った親しみやすさを覚える。

 主題歌を歌うのはa-haだ。僕はけっこうこの曲が好きだ。「テイク・オン・ミー」なんぞより数段いい。適度なポップ感があって、それでいてタイトに引き締まった感じの曲で、メロディだけじゃなく雰囲気もいい。

 

『007/消されたライセンス』

 ティモシー・ダールトンのボンドが思ったよりも良かったので、調子こいて、もう一本も観てしまった。ダールトンのボンドはこの二作だけである。二作だけなのも残念だ。もっとボンドを演じてほしかった。

 本作では麻薬組織と戦うのであるが、スパイを辞め、私怨で戦うのだ。このシチュエーションはロジャー・ムーアでは似合わない。コネリーやレイゼンビーでもそうだ。どういうわけかこのシチュエーションとダールトンが僕の中ではしっくり来ているのだ。

 ダールトンのボンドは、前作同様、快活で健康的な印象を受ける。敵に取り込み、敵同士を反目させたりと、スパイらしい暗躍ぶりもさることながら、ストーリー展開も巧みであるように感じた。

 それと忘れてはいけない。ボンドだけが活躍するのではない。Qである。『オクトパシー』に続いて、Qの活躍が目立つ。僕はこのQが好きで、どの作品でも、Qが登場するとどこかホッとする。僕だけだろうか。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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