1月22日:変なのが多すぎる 

1月22日(火):変なのが多すぎる 

 

 昨夜というか今朝にかけて、キレそうになった。深夜勤務でのことだ。 

 前の時間帯のシフトに入っている連中に関してが最初だったかな。彼らにはイライラする。何しに来てるんだろうって思うこともしばしばだ。まあ、僕はあの店の人たちを一切信用しないし、当てにもしていないので、もうそれはいいとしよう。 

 次に、店頭の清掃に出た時だ。駐車場で飲食した連中がおって、まあ、ひどいもんだった。食べ散らかすは、吸い殻は捨てまくるはで。それらの後始末だ。こういうのに手を取られなくなるだけで、仕事がもっと効率よくまわるのに、こういう連中が経済を滅ぼすかもしれない。それにしても、本当に赤ん坊の世話をしている気分になる。 

 

 そして、あの変な客だ。男の客だ。その人は雑誌を二冊購入したのだ。支払いをナナコカードでされると言う。それはいいとしよう。でも、いざカードを当てると、残高0円と出る。男性は意外そうな顔をしていた。 

 僕の方は、現金で支払うか、カードのチャージするか、どちらにするかを求めた。彼は理解できていないようだ。カードはお金をチャージして使用するものであることを知らないようである。 

 ところでナナコカードのような電子マネーの残高が0円というのはおよそあり得ないことである。使用していれば、常にわずかの残金が発生するものである。残金ちょうどの支払いをするか、不足分を現金で支払うかするのであるが、前者はかなり稀であると思う。後者の場合、そのカードを継続して使用するのであれば、不足分を現金で支払うのではなく、さらにチャージして支払いを続けるものである。ここで現金で払って、後でチャージするという二度手間を省けるからである。 

 従って、この人はナナコカードを作ったばかりなのかもしれない、そういう推測も成り立つ。しかし、その仕組みを理解していないことや、チャージしていないことを自分でも知らないというのはちょっとおかしい。彼はカードにお金が入っているものとばかり思い込んでいたように見受けられるのである。 

 ナナコカードでの支払いができないとなると、今度はICOCAカードを取り出した。それには700円程度のお金が入っていたけれど、それでも不足金額が発生するので、チャージしなければならない。彼はICOCAカードも同じように現金をチャージして使用するものであることを知らないようである。 

 彼はどうしたか、別のICOCAカードを取り出した。そこにも残金はあるけれど、購入金額には足りず、不足が発生した。見ると、彼は4,5枚のICOCAカードを所有していたし、はっきりとは見えなかったけれど、その他の同種のカードも所有していた。財布の中は、その種のカードが10枚くらい入っているのに、現金はなかったようである。 

 これもおかしな話である。ICOCAカードのような交通系電子マネーは、大抵の人は一枚だけ保有するものだと思う。その一枚を継続して使用するものではないだろうか。複数枚のICOCAカードを所持する方が、管理が複雑になり、不便ではないだろうか。5枚のカードに分散してチャージするよりも、一枚のカードにまとめる方が合理的であり、普通はそうするものではないだろうか。 

 そもそも、それらのICOCAカードにお金が入っているということは、それ以前に現金でチャージしているはずである。だから、このカードは現金をチャージして使用するものであることを知っていなければならないはずである。この男性の反応を見ていると、それすら知らなかったように見受けられるのだ。 

 従って、彼が所有しているこれらのカードは、手段は分からないけれど、他人の所持物である可能性が高いように思った。不正入手して、不正使用しようとしているように僕には思われた。 

 結局、彼は雑誌を一冊減らして、ICOCAカードの残金で購入できる範囲内の買い物をしていった。店には被害はないものの(個人的にはあるが)、なんとなく後味悪く、薄気味悪い。盗んだカードで買い物されたような不愉快な気分である。 

 僕は一応警察には通報しておいた。そういう人物がこの界隈に出没しているということだけでも知らせておこうと思ったわけだ。警察へ通報なんて大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、以前勤めていた店でクレジットカードを不正使用した奴がいて、僕がたまたまそのレジ処理をしたというだけで、けっこう面倒な手間がかかったことがある。その経験があるので、先に通報しておいたわけだ。もし、事件性があるということが判明したら、そこから逐一供述しなければならなくなるわけだが、先に通報して、先に供述しておいた方が後の煩雑さが省略されるだろうと思うわけだ。 

 

 さて、2時台に駐車場のゴミ問題、3時台にカードだらけの男、立て続けに腹立たしいことが起きた。後は平穏に過ごしたいと願っていたが、5時ころに警察官が3人やってきた。近所の別のコンビニで万引き事件が発生して、その犯人がこっちの方角に逃走したので、防犯カメラの映像を見せてほしいということだった。 

 僕は操作を知らないので、警察官たちに任せた。あれはどうだったんだろう、見ることはできたのだろうか。警察官はもう少し鮮明に見たいといったことを述べたな。 

 僕は店長に電話してみた。まあ、店長のあのテンションの低いこと。一瞬、違う人のところに電話かけてしもうたかと思った。 

 結果、警察の人たちは防犯カメラ映像を見ることができなかったようである。店長ならびに副店長しか見ることができないそうである。それならそれでいいけれど、なんで警察も見ることができるようにしておかないのか、僕の中で一気に信頼感が薄らいでいく。 

 今回は他の店舗の事件である。それでもそういうものには協力しておかないと、回りまわって自分のところが困ることになりかねないからである。加えて、今回は近隣の店だったけれど、犯人はウチを標的に選んだ可能性もあり得るのである。たまたま他店さんだっただけで、ウチが被害に遭っていたかもしれないのである。 

 もし、ウチで事件が発生して、警察がカメラの映像を解析したいと要求されたらどうするつもりだろう。店長が来るまで待ってくださいとしか言えないのだろうか。その遅れが被害を拡大してしまったらどうするつもりだろうか。 

 僕は前々からこの店は防犯意識が低いと思っていたけれど、まさかここまでとは。 

 

 この店の深夜勤務は昨年の1月からだったので、ちょうど丸1年になる。この1年の間に、警察に通報すること3回、救急に通報すること1回だ。この辺りもまあまあ物騒であるし、変なのが多すぎる。 

 もうこの店には見切りをつけようかと、今朝は真剣にそのことを考えた。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

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