2月17日(月):今日も好日なり
何かと忙しい。この3日間は特に多忙だった。毎晩夜勤もしたし、カウンセリングの方も連日予約が入って、昼夜ともに仕事をこなした。
今日は夜勤明けで、午後から面接を一件こなすと、後はフリーだ。フリーを焦がれながらここ数日は過ごしていた気がする。
でも、いざフリーになると、何からやっていいやら迷ってしまう。職場の蛍光灯が切れているので買いにいかなければならないのだけれど、結局、それは後回しとなった。それよりも読み書きをしたかった。
フリーの時に論文をまとめ読みして、ノートも残しておく。時間の無い時はそのノートを読み直す。最近の僕の勉強パターンだ。面接を終えて、5時間ほどそれに費やす。メドニックの『学習』を読み直す。
この『学習』という本だけど、言うまでもなく学習心理学のテキストである。小著ながら内容が豊富であり、コンパクトながら充実した本だと僕は思っている。いつかもう一度読み直したいという気持ちはありながら、いつも先送りになってしまっていた本だ。先送りになるのは、これが行動主義の本だからという理由のみである。つまり、僕の中で、いい本だとは思いながらも、優先的に読む本ではなかったのである。
何もかもが先送りだ。こうしてあれもこれもできないまま人生が終わるのだろうな。一つでも先送りしていたものを消化していこうと思い、読み始めたわけだ。そして、読み始めると、いい本だなと感心する。いつかこの本のこともブログにしたためよう。
これも悪い癖だ。本を読むと書いて残したくなる。特に、いい意味でも悪い意味でも、感心した本はそうしたくなる。こうして先送りを解消するために読んだ本が、新たな先送り案件を生み出してしまうわけだ。でも、それが止められないのだから我ながら困ったものである。
さて、夜まで勉強をして、そこからはいつもの飲み屋に顔を出す。あまり呑む気分ではなかったものの、人前に顔だけは出しておこうくらいの気持ちだった。
先週も顔を出し、今週も顔を出したわけだけれど、先週お会いできなかった人とも再会できて良かった。もちろん、先週も今週も顔を合わせたという人もあり、それはそれで良いことである。
知り合った人が元気でいるのを見るのが何よりも嬉しい。飲み友達であれ、バイト先の人であれ、あるいはクライアントであれ、そうである。人間、いつどこでどんな形で不幸に見舞われるかわかったものじゃないのだ。だから、元気そうでいるのが確認できること、実際にそれを目にすることができることというのは嬉しい限りである。
楽しいひと時を過ごさせてもらった。ほんの2時間程度のことなんだけれど、それでも十分だ。
最終に近い電車で帰路につく。ラーメンでも食うて帰ろうかと思う。そういえば夕食抜きで呑んでいたのだ。腹は減っている。でも、その前にもう一軒、寄るところがあった。思い出したのだ。
近所のバーに入る。今はたまにしか顔を出さないけれど10年近く付き合いのあるバーだ。そこの店主にセブンを辞めたことを報告してなかった。時々買い物に来てくれたのだけれど、僕を見かけなくなって心配でもされたら心苦しいので、報告しに行こうとは思っていたのだ。
セブンを辞めた旨を伝えると、案外普通のリアクションが店主から帰ってきた。もっと驚かれるかと思っていたので拍子抜けした感じだ。なんでも、僕はこの店に来ては「セブン辞めたい」などと愚痴っていたと店主は言う。確かにそういう話をしていたのは記憶にあるけれど、そんなにしつこく愚痴っていたのかな。自分で思っていることと他人が思っていることとはこうも乖離があるのかと思った。
でも、まあ、こういう薄いリアクションで却って良かったようにも思う。僕がセブンを辞めても、人にとっては大したことではないものである。
とにかく、報告だけはしておいた。気になっていたことが解消できた。そこから改めてラーメン屋に足を運ぶ。注文を取りにきた店員さんがセブンの客だったので、なんとなく居心地の悪い思いをしてしまったけれど、向こうは何とも思っていないはず。自意識過剰っていうわけではないけれど、大半のことは当人が思っているほどのことではないのだ。クライアントにはよくそういう話をするし、いかに周囲の人がそれを気にしていないかを証明してみせたりのだするけれど、その僕も分かっていながら気にしてしまうのだから、なんとも可笑しい話だ。
ラーメンを食して外に出る。これからバイト先のローソンに遊びに行ってやろうかとも思ったけれど、今日はもう止めておこう。帰宅して、寝ることにした。今日もいい一日であった。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)