10月2日:万引き論 

10月2日(月):万引き論 

 

 本当は昨日書く予定だったものだけれど、今日の日付で書こう。昨日書いたように、僕なりに万引き対策をしようと思っていて、僕なりに思うところのものを今日は書いてみよう。 

 尚、ここで言う万引きは、基本的にコンビニである。スーパーや百貨店ではまた環境が違ってくる。コンビニの場合ということである。 

 

 さて、万引きをする人間は、いきなり品物を取るとは限らず、店を選ぶだろうと僕は考えている。そこで、僕が万引き犯だとしたら、どういう店を選ぶだろうか。4つほどチェックポイントがある。 

 

 ①駐車場、店頭スペースの状態。 

 ゴミが散らかっているか、きれいに掃除されているかという点である。もし、ゴミが散乱しているとすれば、そのお店は店員が外に出ることがないということを表している。だから万引きをして、店外まで出たらこっちのものだと思える。店の外まで出たら一安心だということだ。 

 

 ②日用雑貨商品 

 こういう品物は、他の食品なんかと違って、回転率が遅いものである。毎日売れるというものではなく、たまに売れる程度のものが多い。こういう商品にホコリがかぶっているかどうかを見るわけだ。もし、ホコリがかぶっているようであれば、この店の店員は商品に対する意識が低いことを表していると僕だったら考える。だから、品物が紛失していても、店員が気づかない可能性が高いと思えるのだ。 

 

 ③店内の陳列具合。 

 品物が売れると売り場に穴が開いたり凸凹になったりする。それを前出しとか品出しとかして、売り場を作るのであるが、それを怠っているかどうかということである。もし、売り場がきちんとなされていなかった場合、それは店員が店内を巡回しないことを表していると僕は考えるわけだ。こまめに売り場を作るとなれば、店員が店内をウロウロするはずであるからである。 

 

 ④レジカウンター内での店員の様子。 

 よく見かけるのは、レジカウンター内でバイトやパートのスタッフがペチャクチャお喋りなんかをしている光景である。これは、スタッフたちが、店のことよりも、自分たちのことに意識が集中していることを表しているように思われるので、万引き犯からすればとても好都合である。 

 

 他にもチェックポイントを挙げることができるのだけれど、僕の中では上記の4点を重視している。ちなみに、僕がバイトしているセブンでは4点とも満点である。今まで何も言わなかったけれど、万引き犯からすれば絶好のカモ店である。 

 

 次に、僕が思うに、万引き犯は「予行演習」をする。いきなり万引きをするのではなく、その練習をするものだと僕は信じている。 

 もし、「商品移動」現象が見られたら、それは万引きを試みようとする人間の予行演習である可能性があると僕は考えている。 

 商品移動現象とは、全然違う売り場の品物が見つかるということである。例えば、ペットボトル飲料がカップ麺の棚に置いてあったとか、パンがお菓子の棚に置いてあったとかいったことである。 

 僕もセブンで二度ほどこの現象に遭遇したことがある。もちろん、この現象のすべてが万引き犯による予行演習とは限らない。商品を持って、やっぱり買うのを止めて、その辺に放置するという輩もいることだろうと思う。それでも、この現象の何割かは万引き予行演習だと僕はみなしている。 

 この予行演習で結果が良ければ、つまりそれが誰にも見つからなかったら、万引き犯はその店で万引きをしても大丈夫だと思えるだろうと僕は思うのである。従って、この予行演習は、万引き犯の安心とか確信につながるものでもある。 

 また、この予行演習は、万引きが発覚しそうになった時の逃げ道を確保する目的にも適う。見つかりそうになったら、そこに品物を置いて逃げればいいのである。商品を店外に持ち出さない限り万引きは成立しないからである。 

 

 さて、そろそろ書くのが面倒になってきた。後は簡単に済ませよう。 

 

 万引きされる品物に関しては、生活必需品が盗まれるよりも、嗜好品などの類の品物が盗まれることの方が多いと僕は信じている。 

 犯人にとって価値の低い品物ほど、万引きが成功した時の達成感が大きいだろうと僕は思っている。本当に自分が欲しいと思うものを盗んでも、それは自分がそれを買うことのできない人間であることを証明してしまうので、むしろ敗北感が強まるだろうと思うわけである。 

 万引きの動機もさまざまである。商品そのものよりも、他人のものをくすねるというシチュエーションの方に魅力を覚える万引き犯も多いのではないかと僕は思う。人から奪うという状況は自分にそれだけのパワーがあるという幻想を当人にもたらすだろうと思う。だから、このパワー幻想に取りつかれてしまう常習犯もいるだろうと僕は思うわけだ。 

 また、万引きが発生する時間帯は、その店が多忙な時間帯であることの方が多いだろうと僕は思う。他にお客さんがたくさんいる状況で万引きを成功させる方が、万引き犯にとっては達成感もあるだろうし、一層のパワー幻想も維持できるだろうと思う。それに、忙しい時間というのは、周囲の客の方でも自分のことに意識を集中していることが多いだろうから、その他のことまで注意が行き届かないだろうと思う。同じことが店員にも言えると思う。 

 あと、単独犯か複数犯かの違いもある。複数犯は厄介である。二人の場合、一人が店員の注意を引きつける役割を担っていることが多いと思う。三人の場合、真ん中の奴が要注意だ。 

 その他、手口もさまざまである。手の込んだ手口を使う万引き犯もいる。かなり手が器用でないとできないような手口もある。あの手この手を使うので厄介である。 

 

 さて、今日はここまでにしておこう。また機会があればこの続きなり、関連する内容のものを書いていこうとは思う。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

関連記事

PAGE TOP