7月1日(日):ラーメンの話3
「呑み屋とラーメン屋は絶対に裏で手を組んでおる」と僕は信じて疑わないのだ。呑み屋を後にする。駅に向かう途中、絶妙のタイミングでラーメン屋が出てくるのだ。このタイミングの良さが怪しい。そして「おっ、ラーメンか」とフラフラとラーメン屋に入る。ラーメンを食べた後で、「呑み屋―ラーメン屋連合」の思惑にはまった自分の迂闊さを後悔するのだ。もちろん、僕の妄想のようなものだ。
でも、「なかなかお客さんが増えなくてね」と訴えてきた呑み屋を何軒か知っているのだけれど、どれも近くにラーメン屋がないのだ。だから、ラーメン屋を始める時は近くに呑み屋があること、それも呑み屋と駅の間、もしくは呑み屋と住宅街の間に店を出すといいのではないかと、僕は思っている。同じように、呑み屋をやろうというのでも、近くにラーメン屋があるかをチェックしておくとよいと思う。こうして勝手に共同戦線を張るのがいいって、僕は考えている。
さて、そのラーメンであるが、いろんな具材が入っていたりする。僕は、ラーメンにしろ、うどんにしろ、お好み焼きにしろ、具材がごちゃごちゃ入っているやつは好きになれないのだ。シンプルなのがいい。
そこで、今回、僕は「ラーメンに入っていて欲しくない具材ベスト3」を発表する。「ワースト3」と言うべきか。もちろん、僕の個人的な好みと偏見であるということを、予め申し上げておく。だから文句や苦情は言わないでね。
普通、こういうランキングは順位の下の方から発表するのであるが、僕はいきなり堂々の第1位から始める。
ラーメンに入っていて欲しくない具材の第1位は、ズバリ、「もやし」である。
もやしが入っていると、何というのか、スープが水っぽく感じられるのだ。それにラーメンが冷めるという印象もある。注文したラーメンにもやしがいっぱい乗っかっていると、何だか水増しされたような気分になるのだ。だから、もやしは即座に食べ尽くす。
第2位は「海苔」である。スープに浸しておくと、もわもわとなって、スープの水面に広がっていったことがある。あの侵略的な性格がいただけない。それにスープと合う感じもない。これも、侵略が始まる前に、さっさと食べて片づけておく。
第3位は「玉子」である。これはゆで卵であるが、煮玉子のところもある。煮玉子というのは、おでんの玉子を思い浮かべていただければよい。煮込んで、味がついているのである。これもラーメンに合うとは思わないのだ。いや、合う合わないよりも、やたらと存在感があるのが許せないのだ。例えば、メニューなんかでラーメンの写真が載っていたりすると、まず、玉子が目に飛び込んでくる感じがしないだろうか。僕はあれが気になって気になって仕方がないのだ。何だか主役を押しのけて、一番目立っているように見えてしまうのだ。だから、どうも好きになれんのだ。
差別のないように言おう。僕はもやしも海苔も玉子も大好物なのだ。僕の人生でどれか一つでも欠けてほしくないものだ。でも、ラーメンには入っていて欲しくないというだけのことなのだ。
ラーメンには、ネギ、チャーシュー、メンマ、それだけでいい。それ以外のものは、僕はどうも納得ができんのだ。
ちなみに、もやし、海苔、玉子に続く第4位は「紅ショウガ」、5位は「コーン」である。紅ショウガは舌がバカになるので許せないのだ。コーンは麺に絡むわけでもなく、いつまでも丼の底の方でゴロゴロ転がっているので好かんのだ。あれを見ると「コーンよ、お前は何がしたいのだ」と言いたくなってしまうのだ。
ラーメンネタはまだまだあるのだけれど、いい加減にしておかないと、真面目に読んでくれている読者が離れていきそうで心配である。もう少し、読者の人生に役立つようなことを書けるようにならなければいかんなと、調子に乗って書いた後、自責する僕である。
でも、明日、ラーメンネタ第4弾を書くつもりだ。いや、第4弾を書く気満々である。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)