6月1日:営業を追い返す 

6月1日(金)営業を追い返す 

 

 今、朝の9時20分。某ポータルサイトの件で営業の人間と会うことになっている。9時というのは先方さんが指定してきた時間だ。僕の方はそれでいい。 

 ところがである、そいつは姿を現さないのである。電話で交渉した時も、僕は何回か「9時ですね」と念を押している。向こうが9時という時間を指定しているのに、9時に現れないのである。僕の方は律儀に待っているのであるが。 

 ドアにノックがある。今頃来たかと思う。相手をする気になれない。このまま無視しようと決める。留守だと思うと諦めて帰るだろう。しかし、なかなか帰りそうもない。ここでこのブログ作成を中断して、僕はドアを開けることにする。 

 ドアを開けたら、この間営業に来た人間がいた。顔を覚えている。僕は「9時に来るはずだっただろう」と訊く。彼は「9時半です」と言いやがった。ええ加減にしてほしいものだ。僕の方は電話で何度も「9時」と確認しているのである。それで9時から待っているのである。 

 もう少し言おう。電話で日時を話し合ってから、今日まで一週間近く空いている。前日にでも「明日の9時のお約束でしたが、ご都合はよろしいでしょうか」とか「明日、9時にお伺いしますが、大丈夫でしょうか」といった確認の電話を入れるくらいの機転が効かないのである。もっとも、これまで何人もの営業マンに会ってきたが、そういうことをできる人は一人もいなかった。今日、日時を取り決めして、明日に会うというのであれば、そういうことをする必要もないかもしれない。今回の場合は、一週間近く空いているわけだから、相手さんの事情も変わっているかもしれないと思わないのだろうか。僕は不思議に思う。 

 しかし、一方的に僕が言うのは不公平かもしれない。向こうは初めから9時半のつもりだったかもしれない。それを僕が9時と聞き違えたのかもしれない。同じように、9時の約束を向こうが9時半と思い込んでいた可能性もある。今となってはどちらが悪いとも分からない。 

 でも、僕の方はそれが9時だから承諾したのだ。9時半だったら承諾していなかった。最初に9時からと聴いた時、少し早いとは思ったけれど、面接と重ならないからいいかと思ったのを覚えている。9時半だったら、10時からの面接と重なりそうなので、承諾していなかっただろうと思う。それにこういう商談事は一時間と見込んでおくと僕は決めている。大抵は30~40分くらいで終わる。でも、こちらは一時間程度は時間を空けるようにしているのだ。だから9時半からだったら、決して承諾していないのである。 

 さて、9時半に現れた彼を、僕は門前払いしたのであるが、彼は気分を害したであろう。凹んだかもしれないな。まったく気にしていないというのであれば、彼は仕事人間としては失格であるし、恐らく「心の病」である。凹んでから、彼が次からはどういうことに気をつけなければならないかとか、こういうことがないように次からはこういうことをしていこうとか、そういう工夫をするかどうかは彼次第である。そして、そういうことが今後の彼を方向付けていくものである。 

 わざわざ営業に来た人を門前払いした僕のことを冷たい人間だとお思いでしょうか? 僕には僕で反省するところもある。僕は僕自身で僕のテーマに取り組むつもりだ。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

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