5月2日(水) :生身を感じたい
今日は仕事は休みにしていて、アルバイトに行く。父がしていた仕事の関係で僕もすることになったアルバイトだ。いつものやつだ。
今日はまあまあ体が動いた。それほど苦痛感もなく、焦燥感に襲われることもなく、比較的穏やかな一日を過ごしている。
昨日はあの後、Yさんと会った。彼女の方が電話をしてくれたのだ。それで夕方から会うことにした。
Yさんはおとなしい人だ。それに幾分、無口である。あまりお喋りな方でもない。僕もそれほど騒がしい人間ではないから、その辺りで波長が合う感じがすることもある。でも、触れあったり、衝突したりということがほとんどない感じもしている。僕はそこで満たされない思いをしているのかもしれない。
それで昨日はYさんのリアクションを求めている自分に気づいた。会話がなくても、一緒に居る限り、お互いに相手のことを受容しているということは明らかだ。でも、僕はもう少し関わり合いたいと思っている。関わり合うということになると、無言で一緒に時間を過ごすということだけでは、やはり不十分な感じがする。
もっと正確に言うなら、僕はYさんにもっと向かってきて欲しいと思っている。Yさんの方からもっと僕にいろんなものをぶつけて欲しいとさえ思っている。つまり関わって来て欲しいのである。僕の方から行くのは簡単である。でも、僕はYさんの方からそれをしてほしいと願っている。
僕は人間関係では衝突することも必要だと思っている。お互いに関わり合ったり、ぶつかり合ったりすることで、自分もまた愛されていると感じることもある。ぶつかり合って、それで縁が切れるなら、それはその程度の関係しか築けていなかったのだ。そのような脆い関係なら、今ここでぶつからなくても、いつか何かの折に破綻してしまうのは明らかだ。その時期が早いか遅いかだけの違いでしかない。
ああ、何となく上手く言えてない感じがする。お互い生身の人間なのだ。相手の「生身」の部分を感じ取りたいのだ。Yさんその人を体験したいのだ。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)