6月13日(火):マイナカード
マイナンバーカード(マイナカード)に関するトラブルが相次いでいるらしい。カードに他の人の情報をつけてしまったとかなんとか、そういうトラブルがいくつも発見されているらしい。
そこで河野デジタル大臣の責務が問われているのだけれど、僕にはどうでもいいことだ。個人的には大臣一人に責任を負わせて、それで済む話でもないように思う。制度自体に無理があるというのと、政党がそういう政党なのだ。
マイナカードシステムは諸外国では行われている。諸外国では問題が起きなかったのだろうか。その辺りのことは分からないのだけれど、先に取り組んだ国の経験を活かすといいのに、などと素人の僕なんかは思うのである。それでも、諸外国では問題なくできていることでも、日本では難しいということだってあるだろう。
あれは会田雄次さんだったか、収容所生活の本に載っていたように記憶しているのだけれど、外国は群衆の扱いに日本人よりも長けているそうだ。その理由は外国の人は家畜の群れを扱うことに慣れているからだ、というのを読んだ記憶がある。日本の牧畜とはかなり様相が違うわけだ。背景にあるものが日本人と外国人の間に違いがあるのだ。
僕もそうだと思っている。マイナカードトラブルは日本人ならではのものであるかもしれない。
しかし、便利ではある。行政の手続きであれ、履歴書であれ、その他に保険証や年金手帳などがすべて一つのカードで行えるのであれば、便利は便利だと僕は思う。
先月もバイトをするのに履歴書を求められた。けっこう面倒である。カードから履歴書に該当する情報だけを抜き取り、相手方に送信できればラクである。
保険証、年金手帳、その他、お薬手帳であるとか、臓器提供のカードとか、いくつも所有するよりかは一枚のカードで収まる方がいいと僕は思っている。そのカードだけを大切に管理すればいいということになるので、気持ちの上でも負担が少ない。
マイナカード(でなくても)のようなシステムは便利であることは僕も認めるわけだ。
カードや制度は便利でも、それを施行する政党が信用できんのだ。
それに、1億2000万人分のデータを処理するとなると、とんでもない規模の作業になる。一日に1万人分のデータを処理しても1万2000日かかるということだ。ほぼ4~5年はかかるということだ。
1年後に保険証とカードを紐づけるなどと政府は言うけれど、1年でやるということは、一日に4万人~5万人分の処理をしなければならないということである。トラブルが発生するのも当然と言えば当然である。
それでマイナンバーカードと保険証を紐づけして、現行の保険証は廃止するとかいうことらしい。それができるならしてもいいのだけれど、今の保険証で何も不具合は生じていないのに。どうも、それは世間一般の認識とはかけ離れた政策のようだ。現行の保険証が不便であるとか、そういう声が上がっているのなら別だけれど、そうではないようだ。要するに、国民の言葉に耳を貸さない政党であるわけだ。
コロナ渦での混乱ぶりといい、オリンピックでのずさんさといい、目も当てられない政党だ。キシダ政権になってからも、今のところ、何一つとして実現したものはないのだ。その過程にあるとはいえ、少子化対策もマイナカードも、ひどいものだ。それらが実現したところで、僕にメリットはなさそうなのに。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)