3月30日:僕の知りたいお店情報 

3月30日(金)僕の知りたいお店情報 

 

 今日は臨時休業して、外回りの用事を済ませた。4件ほど回って、それから京都で夕食をと思った。困ったことに食べたいと思うものがない。それで、たまたま一件の焼き鳥店に出くわして、そこに入ることにした。もし、そこが良ければYさんといつか来てもいいかななどと考えている。 

 グルナビっていうものはほとんど参考にならない。見たことはあるけれど、僕が知りたい情報がまず載っていないのである。 

焼き鳥の場合、その値段や店の雰囲気などよりも、その焼き鳥が胃に重く来るやつかあっさり食すことができるものかというのを知りたいと思う。今日、入った店は残念ながら、重く来る方だった。これは肉が安いとか高級とかいうのではなく、焼き加減にもよるもので、今日食べた店は、僕の感想では、もう少し焼いた方がいい。表面にもう少し焦げ目がつくくらい焼いた方がカラッとしていて食べやすい。どうも焼き方がずさんである。 

 次に知りたい情報は、注文のしやすさである。Yさんと一緒に行くとなると、これは特に大切な情報である。彼女は引っ込み思案な所があって、注文するのにも躊躇するタイプである。僕にもそういうところがあるが、彼女の方が顕著だ。だから注文しやすい環境であるか否かということは特に大切なのであるが、グルメナビなんかにはまずそういう情報が見つからない。今日の焼き鳥屋は、この点に関する限り失格である。長細い店内で、店員が奥の方に集まっておる。客席は手前の方である。これでは注文する時に、奥の方におる店員に向かって大声を張り上げないといけない。こういう店はよろしくないね。 

 その次に僕が注目するのは、そこの店員の顔である。表情であり、目をよく見たいのである。働いていて活き活きしているかを見たいのである。よく声だけ馬鹿でかい店員とかいるけれど、声を出していると活気があって雰囲気が良くなるものと思い込んでいる経営者も多いようだ。そんなことはない。声は出していても、表情は死んでいたり、目が虚ろだったりするような店員もおるものだ。声は出しているけれど、全然楽しそうでないという店員は僕もよく見かける。 

 最後に店長を見ることができれば文句なしである。店長がどんな人かということに僕はすごくこだわってしまうのである。脱サラして呑み屋でも始めようかというのと、呑み屋をやりたいと希望して始めたというのとでは、全然店長の質が違うものである。両者を見分ける方法は、少し店長と会話をして、僕がどんな体験をするかに目を向けるのである。後者とは話がよく通じるのである。前者では僕の中に腹立たしい感じが生じるのである。 

 大体、僕が知りたい情報はこんなものである。味とか値段とかはどうでもいい。店の雰囲気も気にしない。胃にすんなり収まるか、注文しやすいか、店員が活きているか、店長がどんな人かである。他にも酒類はどこのメーカーのを使っているかとか、店の中にどのようなものを置いているかとか、どんな椅子を使っているかとか、気になる点はいくつもある。どれもグルメナビでは調べられないことばかりだ。 

 あれこれ述べたけれど、結論はこうである。今日入った焼き鳥屋は、Yさんと一緒に行くのには不向きであるということである。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

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