11月1日:参拝 

11月1日(金)参拝 

 

 今日は休日だ。昨日一日仕事をして、その後夜勤をこなし、今朝帰宅する。布団に倒れ込むと、そのまますぐに眠りに落ちたようだ。 

起きたのは午後2時過ぎだった。寝すぎてしまったと思った。今日は今日でやっておこうと計画していた事柄がいくつもあった。どうやらそれらを全部はこなせそうにない。それらをこなすためには、遅くとも午前10時には起きて、活動を開始していなければならなかったからだ。 

 そんなことよりも、僕はまず空腹を満たす必要があった。食事をしながら、今日の予定を計画し直す。仕事をするのも良しだが、何となく歩きたい気分だ。そこで、外出して、とにかく電車に乗る。長岡天神で急きょ途中下車をする。長岡天満宮にお参りに行こうといきなり思いついたのだ。 

 いきなり思いついて、衝動的に電車を降りる。夕方で外はすでに暗くなり始めていた。寄り道しながら歩いていたので、長岡天満宮に到着したころにはかなり暗くなっていた。石段を上がり、神社へと出る。社殿で何かしていたのだろう。何人もの人が社殿の中で後片付けをしていた。それよりも神社の前にたくさんの人が立ち話をしているのに腹が立った。神仏の前で何をしているのかと一喝してやりたいくらいの気持ちが生じたのを、どうにか抑えた。 

 僕は石段を降り、鳥居の所で独り座る。神社で何をしていたのか知らないけれど、あの様子ではもうそれも終わり、人々も解散しようという感じだ。少しすれば誰も居なくなるだろうから、それまで座って待つことにした。 

 静かだ。虫の声が聞こえる。風で木々がそよぐ音がする。遠くの方で車の音も聞こえる。静寂の中にも音はある。静寂自体の音もある。静寂に囲まれていると、僕と外界との境界が薄れていくよう。それは僕にはとても心地よく感じられた。僕は静寂の中に佇み、同時に静寂が僕自身になっていくかのよう。このまま朝まで座っていたい気持ちになった。 

 でも、さすがにそこで夜を過ごすわけにもいかないので、頃合いを見計らって、神社の方へと登る。最前の人たちはもういない。簡単に参拝を済ますと、僕は神社を後にする。 

 長岡天神の駅でお茶を飲む。そしてこれも突然に閃いたことなのだが、ここから家まで歩いて帰ろうと決める。僕は京都方面に向かって歩き始める。いろいろ考え事をしながら歩く。 

 歩きながら、今日はコーヒー豆を買いに行こうと思っていたことを思い出す。Yさんから誕生日プレゼントでコーヒーミルをいただいたのだ。向日市で方向を転じ、スーパーでコーヒー豆を購入する。結局、そこから電車に乗り、帰宅したという次第だ。 

 そんな一日だったが、悪くもない。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

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