<自己対話編―22> 平成24年7月7日
<対話>
C:とてもたいへんな一週間だった。サイトの件がはっきりしないので、僕はパソコンをすべて初期化したんだ。それでデータを保存しようとして、約1000件のデータを6枚のディスクに落としていった。その際に、残すものとそうでないものを振り分け、いらないものは破棄して、残す分は内容や項目別にまとめて、それから外部保存したのだけど、それだけで一日作業になったよ。それから初期化だ。これも一回目は手順を間違えてうまくいかなかった。それで再度初期化して、セットアップし直して、必要な分をインストールして、それでようやく使えるようになったんだ。今日も既に二時間半くらい、朝からそれに取り組んでいる。この間、サイトの方は一切触れずという状態だった。そもそも、サイトの更新で不具合が生じたのが6月の後半だった。それがサーバーとか、向こうの問題なのか、僕のパソコンの方に問題があるのか、そこを知りたかったのだけれど、結局、業者は放ったらかしだ。業者なんてそんなものである。調べてみて、原因と思われるようなもの、可能性のあるものをリストにしてFAXで連絡すると言うのだけれど、未だに届いていないというのが実情だ。一応、僕のパソコンを初期化してみるけれど、それでいけるだろうかと確認してみたのだけれど、返事もない。放ったらかしなんだ。だから、訳がわからないまま、取り敢えず、初期化作業していったんだ。初期化してみると、サイトの方もなんとかいけそうな雰囲気がある。当分はそれでやってみようと思う。(1)
T:業者が何も知らせてくれないので、自分で手探りでやっていったのですね。それで業者からは放っておかれたように感じている?(2)
C:それが一番腹が立つ。どの業者もそういうことをするのだけれど、今の所が一番ひどいね。あの業者、サイトで唯一いいのは、何ページ追加しても構わないというシステムだけなんだ。それ以外の事柄に関しては、何のためにお前らがおるのかと言いたくなるね。データもなかなか送ってこないし、こちらが催促してようやく送ってくる始末だ。5月分のデータなんて、6月の中ごろに届いたんだから、ふざけているにもほどがあるというもんだ。恐らくだけど、あの業者はもう長くはないね。ダメになる企業は、倒産前にそういう状況になるんだ。きちんとしなくなるんだ。連絡すると言って連絡しなかったり、毎月データを送りますという話し合いができているのに、こちらが催促しなければやろうとしないっていうね、そういうことをしてしまうんだ。(3)
T:あまり当てにはできないなということでしょうか?(4)
C:信用はできないね。G社と呼んでおこう。僕の中では、G社とは新たな契約をしないって決めているんだ。危なすぎる。G社はいつ倒産してもおかしくないって僕は捉えている。だから前のECMのように、契約してトンズラされるのは我慢ならないんだ。ともかく、僕はインターネット業者はまったく信用していないんだ。G社だって、あいつらのシステムのせいで、僕は90万ほどの損失を出しているんだ。腹が立つよ。(5)
T:損失だけ出させておいて、放ったらかしにしている、それで我慢がならない。(6)
C:稼ぐのは僕だ。奴らは何の痛みも経験しないんだ。倒産でもすれば、初めて自分たちが間違ったことをしていたということを知るだろう。いや、学習能力が彼らにあればということだがね。顧客に損失を出させる前に、なぜ相談に乗らなかったのか、なぜ間に入ろうともしなかったのか、僕には彼らが理解できないね。自分たちのシステムだけが大切で、顧客がどうなろうと構わないんだろう。実際、僕がサイトのことで行き詰っている間にも、全社の総会みたいなのがあるからといって臨時休業しているんだ。ウチのトラブルを放っておいて、そういうものだけは出席するんだ。逆だろうと思うね。僕がトップなら、客がトラブルに陥っているなら、そのトラブルをこそ先に解消するべきであって、それに取り組む者は総会なんぞに出なくてもよいってことにするね。そして、そういうことをやってる連中が多いんだ、だから組織なんてバカバカしいって、僕は思うね。(7)
T:あなたが困っているということが、あの連中にはまるで分かっていないように思われるのですね。(8)
C:そうなんだ。なんでこれを放ったらかしにできるのか、僕にはその神経が分からないね。結局、2週間以上更新できないまま来ているわけだ。それを彼らは平気で眺めているんだから、ゾッとするね。初期化してみると連絡してから、さらに何日も経っているのだけれど、未だに「どうなりましたか?」の連絡もない。(9)
T:客に対して、よくもそれだけ無関心でいられるなと言いたいのでしょうか?(10)
C:そうなんだ。無関心なんだ。それに僕は無視されていると体験している。これははっきり言う。彼らが忙しいとか、他の客をたくさん抱えているとか、そんなものは向こうの都合だし、僕とは直接の関係がないことだ。たいへんなのは理解できるけれど、違うんだ。論点というか、もっと根底にある部分の問題なんだ。(11)
T:彼らのあなたに対する姿勢ということを、あなたは取り上げているのですね。(12)
C:そう。忙しいからできませんでしたというのは、彼らの事情だし、忙しい中でもやってくれたことに関しては、僕は感謝するんだ。でも、問題となっているのはそこじゃないんだ。(13)
T:客がトラブルに陥っているのに、なぜ何もしないんだって、そこなんですね。(14)
C:僕はパソコンとかネットのことは詳しくないんだ。だから今回の件でも、サーバーやシステムには問題がなかった、そちらのパソコンに何かあるのではないか、一度初期化してみてはどうかと、彼らが言ったとすれば、僕はその通りやっていただろう。そこで解決しなくても、一つの可能性は消去できたわけだから、次を考えることができるのだ。何も言わないというのが本当に困るんだ。(15)
T:結局、あなたは自力でこれを解決したことになるんですね。(16)
C:どうして指示したり示唆したりしないんだって、そう思うね。僕にできることとか、僕がやらなければならないことに関しては、僕はどんなことでもしただろう。でも、何をしたらいいとか、そういうものがないと、僕は何をどうすればいいのかさえ分かっていないんだから、本当に困る。何をしたらいいのかの指針が欲しいんだ。(17)
T:関わろうとしない彼らには本当に腹が立つ。まるで丸投げされたかのようにあなたには感じられている。(18)
C:このために、少なくとも10日は足止めを食らったね。もっと早くに手を打つこともできたはずなんだ。パソコンを初期化してみるっていうのも、偶然思いついたことなんだ。初期化できるっていうことも、僕は何となくしかわかっていなかったんだけど、どういうわけか、それを思いついたんだ。もし、僕が思いつかなかったとしたら、彼らがそういう提案をしてくるまで待っていなければならなかっただろうと思うと、ゾッとするね。恐らく、未だにそういう提案さえしていないだろうね。彼らはそれでも痛くも痒くもないんだけれど、僕としては大問題なんだ。7月の情報が掲載できないってことだからね。僕の方が信用を失うことになるんだ。遠慮してG社なんて言っているけれど、本当は正直に社名を出してやりたいくらいなんだ。裏に隠れて、表には決して出ないんだ。サイトに不都合があっても、困るのは僕の方で、信用を失うのも僕の方で、彼らは何も失わない。僕に対して謝罪するわけでもないし。いい気なものだって思うね。(19)
T:許せない気がしている。(20)
C:すごく困ったからなんだ。トラブルに関しては、何も言わない。そういうものはどうしても生じてしまうものだ。その原因が僕の側にあるとすれば、僕は知らないのでどうしていいか分からないだけなんだ。こういう作業をやってみて下さいと言われれば、そのようにするし、つまり、どちらの原因であれ、協力はしていくつもりなんだ。それで問題が解消されたのであれば、それはそこまでの話なんだ。何も後に尾を引く話には発展しないんだ。そこを彼らが分かっていないから困る。(21)
T:協力するから、指示や提案を出して欲しかったのですね。(22)
C:もっとスムーズに解決していきたかった。それでなくても、僕は忙しいのに。今週は月初めの多忙期で、仕事もたくさんあった。それに加えて、アルバイトのことでも何日か走り回った。アルバイトの方は決定したのだけれど、そのためにけっこう時間を使ったよ。そしてパソコンの作業もある。他にも勉強しなければならないことをいくつも抱えていて、それをこなさなければならない。Yさんと過ごす時間も確保しなければならない。けっこう目が回るような忙しさだったよ。それでも、一つ一つがスムーズに、順調に運ぶのならまだしも、パソコンの方では何個か小さな失敗をしたり、やり直したりしたし、バイトの方も行き違いがあったりしたし、Yさんとの関係でも揉めたりとかあって、本当にイヤになってくる。(23)
T:それらを次々に処理していかなければならなかったし、順調に運ばないので腹立たしい。(24)
C:そう。その場で解決したり、決断したりしなければならないんだ。前に進まないといけないんだ。忙しいのに、Yさんのことで頭を悩ましたりしているんだ。本当に困ったものだよ。今日も朝の5時ごろには起きて、本を読んで勉強していた。時間が足りないんだ。(25)
T:それだけ忙しくしても、アルバイトを始めるんですね。(26)
C:このバイトは僕のためでもあるのだけれど、一部はYさんのためでもあるんだ。僕が抱えている負債を少しでも減らせば、Yさんの負担が軽くなるんだ。もちろん、Yさんとの付き合いがずっと続いていたらという前提の上でだけど。彼女はきっとそういうことに気付かないだろうって、僕は思っている。今、交際する時間が制限されるということの方が、彼女にとっては辛いだろうな。言ってみれば、彼女なら、明日の1000円より今日の500円を選んでしまうだろうって、僕は思っているからなんだ。辛くても将来の糧になることよりも、今日の娯楽の方を選択するんじゃないだろうかって、僕は思うね。(27)
T:あなたは今自分が無理をすることで、彼女にかかるかもしれない負担を減らそうとしていて、そのために交際時間が制限されてしまうのも辞さない。あなたはそういう考え方だけれど、彼女は正反対の考え方をしているように思われて、それで彼女には理解してもらえないだろうなって思っている?(28)
C:恐らくそうだろうね。彼女は2月にイギリスに行きたいと言う。向こうに用事があるからなんだけど、それはまあいい。2月に行こうとするなら、費用を用意しなければならない。今は7月だ。まあ、あと7か月先だ。この間に費用を貯めないといけない。今の仕事ではそれが十分に貯まりそうもない。とすれば、もう一つ何かを始めないといけないっていうことになる。彼女の試算によると、全体でいくらくらい必要かの目安がある。それを満たすには、もう一つのアルバイトで週に10000円稼がないといけなくなる。今の仕事の方は生活費やお小遣いなどで必要だしね。そちらを切り詰めれば多少は違ってくるだろうけれど、一応、そちらはそちらで手を付けずにやってみたらという前提で計算すると、週に10000円を副業で稼ぐ必要があるんだ。これはそれほど無理な数字ではない。1日4時間のアルバイトを週に3日だけやれば、これに達するだろう。あるいは3時間を4日としてもいいし、6時間なら2日だけすればいいってことになる。不可能な数字ではないんだ。ただ、もし着手するのが遅れたとすれば、遅れたら遅れただけ、週に稼ぐ額が大きくなってしまう。今なら週に10000円稼げばいいということだけれど、開始が遅れれば、週に15000円稼がないといけないってことになってしまう。速やかに取り掛かった方が、全体としてみれば楽なんだ。ところが、先に楽をしてしまって、しんどいことを先延ばししてしまうと、それだけ負担が増えてしまうということになる。こんなことは殊更説明しなくてもいいことだ。でも、彼女はそれをしてしまいそうなんだ。(29)
T:それを気にしているんですね。(30)
C:そう。僕から見ると、今すぐにでも動いて、7月中には勤務が決まっていて、8月分の給料が貰えるようになっているといいのにって、思えるんだ。でも、本人を見てると、さほど慌てているようでもないし、先々のことを本当に考えているのかなって思える時もあるんだ。(31)
T:それで、もどかしい?(32)
C:それでついつい口出ししてしまうんだ。彼女は放っておいてと言うかもしれない。でも、そうやって放っておいてもらった結果、今の彼女があるはずなんだ。だから、僕は彼女を放っておくつもりはないんだ。これからもどんどん口出しはする。彼女が不安になっても、僕はそれを止めない。彼女はその世界から出なければいけないんだ。放っておかれて、それをいいことに好きなことだけをするっていう世界から、彼女は出なきゃいけないんだ。2月にイギリスに行きたいと願うのであれば、彼女自身がそれを実現できるように、自分で計画を立て、自分で動いていけるようにならなければダメなんだ。そうでなければ、彼女は生きているとは言えないんだ。彼女のパターンだと、彼女のペースで好きなようにやって、それで2月に行くという目的の方を断念するだろうと思う。今現在の何かを断念することではなくてね。それで「行きたいのに行けなかった」とかって言われても、誰もどうすることもできないんだ。2月にイギリスに行くというのは、構わない。彼女が決めることだから。費用的には、今から副業で稼いでも間に合うことは間に合う。ただし、今から始めるという条件付きだけど。「なるようになる」とか「誰かが何とかしてくれる」とか、「わたしが望んだことは実現しないのだわ」とか、そんな感覚から抜け出てほしいだけなんだ。(33)
T:そこはなかなか分かってもらえない?(34)
C:そう。だから辛いね。彼女から見れば、僕が単に冷たいとか意地悪しているとか、そんな風にしか見えない時があるだろうと思う。(35)
T:誤解されてでもなお、あなたはそれをしていこうと決めているのですね。(36)
C:そうでないと、彼女はただ生存しているだけで、本当に生きているとは言えないって、僕は考えているんだ。(37)
T:彼女とのことについてはまた聞かせてほしいとは思いますが、今回はここで時間となりましたので、ここまでにしておきましょう。(38)
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)