6月14日(火):身辺整理
今日は定休日である。身辺整理関係のことをずっとやる。不用品はすべて売りに出す。捨てるとごみになるからだ。
今日はCDをすべて処分した。もう音楽を聴く時間も確保できない。どうしても置いておきたいものは、パソコンに取り入れておいて、一応パソコンで聴けるようにしておく。あとはすべて売却だ。
60枚くらいのCDを鞄につめて、河原町まで出て、ブックオフに売る。少々の金になった。買わせるだけ買わせるのは悪い気もするので、そのお金で少しだけ本も買っておいた。読みたい本も探せば見つかるのであるが、お礼の気持ちを込めての買い物だ。そのくせ5冊も買ってしまう。
店を出て、公園の喫煙場所へ向かう。そこで一冊を紐解く。雨上がりなのでベンチが濡れているのが難点だった。
それからまた歩く。立ち食いうどんにて昼食を取る。ああ、そうだ、歯が痛みだしているのだ。熱いおつゆが歯に染みる。
その後、ぶらぶらして、今度はパチンコ店に入る。休憩室に入り、喫煙する。先ほどの本も再び紐解く。こうして5冊中一冊目を読み終える。
どこにも行くところがない。ちょっと一杯という気分にもならない。酒は飲んでも行きつけの店だけで飲む。新たにお店を開拓する元気がない。
もう一度散策して、電車に乗る。電車内で2冊目を紐解く。
駅から家へ帰る前に、再びパチンコ屋に入る。また休憩だ。鞄の中に手を突っ込んで、本を取り出す。別の本を取ってしまう。そうして二冊目が読み終わっていないのに三冊目に手を付けてしまう。煙草をふかしながら読む。
「煙が目に染みる」(Smoke Gets in Your Eyes)という曲があるけれど、僕の場合、「煙が歯に染みる」(Smoke Gets in my Teeth)といったところだ。歯が痛いのなら喫わなければいいのにとも思うのだが。
帰宅して、食事。歯が痛いけれど、なんとか食べることはできた。それから少し横になる。当然、今日買ってきた本を読みながらだ。夜まで読んで過ごす。結果的に、一冊目は完読し、二冊目は8割ほど読み終えており、三冊目と四冊目はどちらも手を付けて最初の方だけ読み終え、五冊目はまったくの手つかずである。こういう読み方をしてはいかんと日ごろから思っているにもかかわらず、ついついやってしまう。一冊ずつ読まなくては。
一冊の本の体験は、一冊ずつ読まないとはっきりしないという感じがするのだ。一冊の本を限りなく堪能するためにも、本は一度に一冊ずつ読むようにしたいのである。
一冊の本ともいつか別れの時がくる。一日だけの付き合いだった本でもいいじゃないかとも思う。一期一会を満喫するのも良しだ。本との出会いも何かの縁、本を読むとか以前にそうした縁も大切にしたい。出会いと別れ、どちらも大切にしたい。CDとは別れをしていっているけれど、いずれ本の方でも別れを経験していくことになるだろう。でも、絶対に後悔はしないようにしたい。よく付き合って、そしてお別れしていこう。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)