6月3日:悪運政府

6月3日(金):悪運政府

 

 事業継続給付金を家族ぐるみで不正受給した事件で世間は賑わっているようだ。9億円ものお金を横領したというのだからすごいものである。先日も役所のミスで4000万円振り込まれた事件があったが、4000万円が霞む金額だ。

 こうして困っているところにお金が行き渡らず、悪事を働く人のところへお金が流れていくシステムが出来上がってしまうのだ。横領した犯人グループの罪はもちろんであるが、そのようなシステムを作り上げてしまった政府の怠慢の方が罪が大きい。

 一昨年の給付金でも同様のことが起きたのである。不正受給した連中は高槻にもおる。僕は手を染めなかったけれど、そういう類のメールが入ってきたりする。下手に乗っからなくてよかったと今では思っている。

 不正して長生きするよりも、正しいまま早死にする方がましである。

 

 今朝のワイドショーでは、今回のコロナ禍での給付金等の総額が5兆円に上るという。5兆円あれば経済回復できるとも聞いたことがある。経済回復に5兆円あれば足りるということである。それだけのお金を出したのに、経済回復は達成されないのである。バカバカしいを通り越して、絶望的な気分に僕は陥る。

 もともとの発端は政府のコロナ対策である。その5兆円を、給付金という形ではなく、ワクチン製造や治療法の研究費用に充てた方がまだ良かったのである。詐欺でだまし取られるくらいなら、その方がはるかに有効活用だ。

 それで、もし、国産ワクチンや治療薬が開発されていれば、昨年はあんな一年にはならなかったと思う。一年早く今の状況が、いや今よりも良い状況が、訪れたのではないかと僕は思う。

 政府は国を沈没させる連中の集まりであると僕は思っている。

 

 事業支援金なんて、確定申告と紐づければかなり詐欺を防げるはずであると、僕は考えている。今回の支援金は2,3年の事業経歴がなければ受給できないものであったはず。それなら確定申告の記録を参照することが可能であるはずである。

 ある事業所が申請する。その事業所の確定申告を参照する。そして、確かに給付の対象であるとなれば給付すればいいのである。一件につき5分とはかからないんじゃないか。

 今回の給付金も申請者の生善説に基づいているなどと言っている人もいるけれど、それは大間違いである。そんなもの政府の怠慢の言い訳にすぎない。不正するのは生悪説に基づく人たちであって、政府のせいではないと言い逃れできるのである。

 

 政府の怠慢などと責めるのは控えよう。気分を害される人もあるだろうから、違うふうに言おう。

 オリンピックでもそうだったけれど、数々の不祥事が明らかになった。コロナ対策でも問題が後から後から押し寄せてくる感じであった。

 これだけトラブルが起きるのは、政府が「悪運」にとり憑かれているからである、ということにしよう。「幸運」を呼び寄せる人が一人もいないんじゃないかと思えてくる。そして、政府はこの悪運なるものをせっせと育成しているのである。この政府に希望を託すことはとうていできない。

 

 給付金も、以前のように、国民全員に一律に給付するという方がどれほど良かったか。政府は詐欺・横領の片棒を担いでいるようなものだ。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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