1月2日(木):駅伝と『ブローカー』
僕の実家では正月となると箱根駅伝をテレビで鑑賞する。父が見るのだ。つられて母も見るようだが、僕は御免こうむりたいね。マラソンや駅伝は、見ているだけで苦しく感じられてくる。中学、高校と陸上部で走ってきた経験からか、他人が走っている姿でさえ他人事のようには思えなくて、しんどいのが伝染してくるのだ。ましてや、今日、僕がたまたまみた場面というのが、外国人選手が足を故障して棄権したところだったのだ。痛々しすぎて、僕は直視できなかった。
家では延々と駅伝を見ているので、僕は耐えられず、外出することにした。しかし、外に出ても行く所がない。結局、高槻の職場に来て、あれやこれやして時間を過ごす。
0時半から「芸人ブローカー」を見る予定だ。22時からテレビの前でスタンバイする。見るともなしに見る。有吉さんの司会で、未婚の芸人さんたちの結婚偏差値をランクづけするというものを見た。下らない。結婚するかしないかは、本人の思想に依るところが大きいだろうし、個人がどれだけ他者を拒絶しているかにも依るだろう。
帰宅した時には、兄夫婦が来ていて、少しだけ話をしたけれど、あれを見ると、やっぱり結婚はしない方がいいなという気持ちになる。決して彼らが幸福そうに見えないとかいう意味ではない。夫婦がお互いに自己を制限しながら生きなければならないという感じがイヤなだけだ。僕が結婚を目指さなくなったのも今ではその理由が大きい
「ブローカー」を見た。この番組、普段テレビではお目にかかれないような芸人さんが出てくるので好きだ。同じような顔ぶれのバラエティが大部分を占める中で、この番組だけはちょっと異色だ。でも、今年は芸人さんのエントリー数が少なかったな。それに、暗躍している芸人さんたちというよりかは、これからブレークしそうな芸人さんを発掘する番組のような趣を呈してきた感じもする。
『田園交響学』
今日、ジッドの『田園交響学』を読み終える。いい作品だ。盲目の孤児ジェルトリュードの世話と教育に献身的に携わってきた神父だが、自分の感情には盲目になっていたのだ。だから息子がジェルトリュードと結婚したいと話した時、神父は猛烈に反対する。それが嫉妬感情だということは、知性化によって神父自身には覆い隠されている。この場面が一番好きだ。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(付記)
この後、夢の部分が続くのだけど、分量が多くなるので、二回に分ける。
両親は駅伝やマラソンを見たがる。そのため、僕はできるだけ外に出るようにする。年末年始の恒例行事のようになっている。
(平成28年12月)