2月4日(木):ワサビスト
節分だから、母が海苔巻を作った。僕が海苔巻をよく食べるので、母も気合が入るのだろうか。いつも大目に作る。
昨晩、今朝、昼と、海苔巻ばかり食べた。こんなふうに言うと、僕がとても海苔巻が好きなんだなという印象を与えてしまうかもしれない。本当はそうではない。ワサビが好きなのだ。
世の中、俗に言う、マヨラーなる人たちがいる。マヨラーとは、いわゆる、マヨネーズ愛好家のことだ。この人たちは何にでもマヨネーズをかける。ご飯やおでんにもマヨネーズをかけて食する人もある。
僕はマヨネーズは好きだけど、マヨラーほどではない。僕はむしろワサビが好きで、どちらかと言うと、ワサビストなのだ。
よく、お寿司は何が好きとか、回転すしで何皿くらい食べるとか、雑談でそんな話題になることがあるだろう。そういうことを訊かれると、僕は適当に言葉を濁してごまかすのだけど、本当の答えはこうだ。お寿司ではワサビが好き。回転すしではワサビがなくなったら終わりと。
後者については、少し説明しないといけないな。回転すしに行くと、ワサビが置いてあったり、レーンに乗って回ってきたりする。席に着くと、まず、ワサビを取る。小皿に、今日の分のワサビを盛り上げる。それから、お寿司を取っては、ワサビを上乗せして食べる。サラダ巻きとか納豆とか、普通、ワサビをつけないようなお寿司でも、ワサビをしっかり乗せて食べる。このワサビがなくなった時点で食事終了である。それが8皿目の時もあれば、15皿目の時もある。
母の海苔巻を好んで食べるのは、母には申し訳ないが、ワサビをたくさん食べられるというただそれだけの理由である。
さて、今日は夕方までは面接が入っていた。夜のクライアントに変更があったので、夕方以降は空いていたのだけど、このチャンスにある人と会っておこうと決めていた。その人とも一度会わないといけないなとは思っていたが、なかなかその時間を取れなかったのだ。
仕事を終え、夕方から京都に向かう。BAL地下の書店に文具・雑貨等を置いている一角があり、そこに僕そっくりの置物を見たとその人が言うので、僕たちは早速見に行く。
あいにく、その人が見たというのも少し前の話で、売り場は模様替えされていて、僕に似た置物はなかった。見てみたかった。人が誰それ(有名人であってもなくても)に似ているとか、その人に似たモノ(置物であれイラストや絵であれ)があると言う時、それは容姿だけの話ではないと僕は思っている。単に顔が似ているというだけでなく、イメージとか雰囲気とかがその人のことを連想するのだと思う。
僕に似た置物があるとその人は言う。その置物は僕の容姿に似ているのだろう。でも、それだけでは気づかれないことも多いと思う。彼女がその置物を見て、それが僕に似ていると連想するには、もっと他の要素も必要だということだ。その置物の醸し出す雰囲気やイメージが、彼女に僕を喚起させているのだと思う。そこでその置物と僕とが彼女の中でつながるのではないだろうか。置物の容姿だけから、純粋にそれだけから、僕を連想するとは思えないのだ。
彼女が持っている僕イメージと、その置物が醸し出す雰囲気とかイメージとかに、何か共通するものがあったのだろうということで、僕が見てみたかったのは、僕が彼女に対してどんなイメージを発しているのだろうか知ってみたいという興味からだったのだ。
本は、ユング「パラケルスス論」を継続。その他、ユング関係を何冊もブックサーフィン(ネットサーフィンのブックバージョン)して拾い読みする。なぜか「魔の系譜」を読み始める。
音楽。今日も聞く暇なし。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)