6月15日(月):タイミングの悪い電話
今週は水曜日がそれほどでもなく、代わりに月曜日、つまり今日がそれなりに忙しくなった。普段なら水曜日辺りに来られるクライアントが、なぜか今日に集中したのだ。
それはいいとしても、留守番電話が入った。僕は面接中だったので取れなかったのだけど、この人、電話をかけてほしいと頼んでおきながら、連絡先を吹き込んでくれていないのだ。一番やってほしくないパターンだ。
午後からの面接中にも何件か電話が入った。その人だったかもしれない。ああ、なんてタイミングの悪い。昼休みに、僕はその人から電話があるかもしれないと思い、部屋から一歩も出ずに待っていたのに、昼からのクライアントが来てから電話がかかってくるのだ。
今、今日の最終の面接を終えて、最後にその人から電話があるかもしれないと思い、今しばらく待ってみることにしている。時間は夜の8時を過ぎている。もう少し待って、電話がなければ、縁がなかった人と思い、諦めようと思う。
しかし、どうして連絡先を吹き込まない人があるのか、僕はその心理が分からない。どうして自動的に自分の番号が相手に知られていると期待するのだろうか。
僕はそういう履歴を残さないようにしているのである。その人の連絡先をいろんな箇所に残したくはないのだ。留守電なら消去すれば問題ないことだ。
そして、実際に面接に来られた際に、連絡先などは用紙に記入してもらう。決して、そういう情報はパソコンには入れない。その用紙一枚を管理するだけにしたいのだ。余計な作業を増やしたくないからである。
少し手の内を明かすけれど、留守番電話に「後でもう一度電話します」という人と「電話をかけてください」という人とでは、僕は違ったふうに考えるし、違った態度を取ることにしている。そして、「連絡してください」でも構わないのだけれど、連絡先を述べないような人はさらに警戒する。その人の何かの表現もしくは無意識的な意思表示であるからだ。
明日は休みだから別として、水曜日にこの人から電話があるかどうか。僕はかかってこない方を信じている。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)