3月12日(木):「電話がつながらない夢」
(夢)
「僕は誰かと話し合っていた。仕事の場のようでいて、そうではなかった。僕はある人のことを思い出す。かつてのクライアントで、その人ならよく分かるだろうと思い、僕はその人に電話をかける。ところが電話がつながらない。何度かかけなおしてみたけれど、やはりつながらない」
(連想と感想)
全体はもっと長い夢だったと思うのだが、覚えているのはこの場面だ。
過去のクライアントとつながらないということは、僕自身が過去から切り離されてしまっているからだと思った。特に仕事の領域において、僕はもっと過去のクライアントたちの経験を思い出す必要があるのかもしれない。夢は僕がその人たちから切れていることを教えてくれているようだ。
話し合いについては内容を覚えていない。でも、僕自身のことで話し合っているのではなくて、相手のことで相談を受けているといった感じだった。また、相手がどういう人だったかも覚えていない。僕自身のこと、そして対面している相手のことにもっと注意を向ける必要があるのかもしれない。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(付記)
僕は夢を擬人化する。この夢は、僕に向かって、個人的に何を教えようとしているのか、そういう観点から考える。願望の充足という観点はあまり持たない。電話がつながらないということは、電話の相手と関係を切りたいという願望であるとは考えない。電話がつながらないのであれば、それはそのままその現象自体を表していると考える。夢の内容を現象学的に見てみようということだ。
(平成29年4月)