3月13日:「しつこい二人の夢」 

3月13日(金):「しつこい二人の夢」 

 

(夢) 

「どこか最上階のフロア。ロビー風になっていて、僕たちは自由にお酒をのんだり、料理を食べたりしている。二人組の男が僕に絡んでくる。僕は用事があるので、そろそろ帰らなえればならなかったのだけど、その二人がしつこく僕をつかまえて、離さない。二人を振り切って下に降りようとすると、金も払わんと帰る気かと文句を言われる。会計は下の階ですることになっているのだから、僕は何も間違っていないと言い張る。それでも埒が明かないので、店の人に上がってきてもらって、この二人の前で僕は支払いをした」 

 

(連想と感想) 

 目が覚めて、ああ、しつこい二人組だったなと思った。その感覚が残っていた。 

 この二人組は僕につきまとい、僕を監視し、そして僕の悪を暴こう、あるいは証明してみせようとする。クライアントがこの夢を見たと報告してくれたら、僕はきっと、この人はひどく罪悪感に襲われることが多いだろうなと思ってしまうだろう。 

 この二人は僕に罪があるということを立証しようとする。支払いをせずに出て行くのかと僕を責めたてる。僕は、少なくとも夢の中では、何も間違ったことはしていないけれど、僕はそれに信が置けず、却って、僕は間違っていないということを彼らの面前で証明しなくてはならなくなっている。僕はこの二人に屈してしまっているのだ。 

 二対一という構図は、僕よりも二倍相手の方が強い、あるいは二倍の影響力を相手が有している、といったことを示すのだと思う。僕は僕自身を責めたてる存在に対して、弱すぎるのだと思う。 

 

 実際、僕の中には自責感情もある。自分が間違ってしまったりとか、失敗してしまったりとか、そういうことがあると僕は自分を責めたくなる。昔の失敗に対して、許せない自分がある。 

 昨日の夢、以前のクライアントと電話がつながらないという夢との関連でも、僕が自責感情に襲われているために過去とつながりが持てないでいるのだと、そんな風にも思う。 

 そして、自責感情が強くなる前に、僕は自分がたまらなく独りだという孤独感を経験していた。僕はこんな風にしか生きられなかった僕自身に対して、自分を責めたくなっているのだと思う。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

(付記) 

 ああ、こういう夢を見たなあ。こうして残しておくと、後で思い出すことができる。そうでなければとっくに忘れている夢だ。 

(平成29年4月) 

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