1月5日(月):行きつけの店に
年明けの二日目だが、今日は特に仕事は入っていない。開始を7日からにしてもよかったなと思う。
午前中は少し外回りの用事を済ませて、昼頃、職場入りする。
ほどなくしてクライアントから予約の電話が入る。昨年末、来られなかった人だ。また来てくれるのを嬉しく思う。
室内の整頓をする。その後、キーボードを弾く。指が動かないので、ハノンをやり直すことにした。1番から5番を繰り返し弾く。今週はこの5つを中心に練習しようと決める。
本はアンブラーを少し。それに『心理学要論』3~5章を読む。スピノザ『エチカ』第4部に入る。あと、これまでに書いておきながら未完成だったり、未公開のサイト原稿を読み直す。
このブログも自分のこと以外は書けない。他の人に関する事柄には一切触れないようにしないといけない。いちいち苦情なり文句が来るのも我慢ならないけど、他者がまったく登場しないブログであれば誰も文句は言わないだろう。
僕の伝え方にも拙い点はあるけれど、読む人もきちんと読んでいないことが多い。たいていは僕の意図と異なった意味付けをしている。仕方がないかもしれない。どうしてもそうことは起きてしまうかもしれない。
一人で、比較的静かに過ごした一日だった。
行きつけの飲み屋が今日からだ。新年のあいさつも兼ねて顔を出す。こじんまりした店だけど、ママさんの仕事に対する姿勢が好きで、できれば学びたいと思うのだけれど、他の客が邪魔をする。僕に絡んでくるのだ。絡むと言っても、別にケンカを売ってくるわけじゃなくて、親しげに話しかけてくれるのだ。それはそれで喜ばしいことなのかもしれないが、気分次第で鬱陶しく感じられることもある。
僕自身は一人で飲むのが好きだ。話しかけられたら応じるけれど、基本的に僕の方からは話しかけない。飲み屋では会話よりも「耳学問」をしたいと思っている。いろんな人の体験にそれとなく耳を傾ける。
この「耳学問」はコツが要る。聞いてないふうを装いながらしっかり聞いていないといけない。盗み聞きされてたなんてことがバレたら、誰だって不快に思うものだから。もちろん、その会話に参加してもいけない。あくまで外側から聞いていないとダメなのだ。僕が会話に参加すると、メンバーが増えるわけだから、当然、彼らの意識が変わってしまう。それだと彼らの自然な会話が聞けなくなる。
余談だけど、カラオケっていうのは「耳学問」の最大の敵だ。どうして店の人と話したりしないで、大音量で歌なんぞ歌うのだろうと、僕は不思議に思う。
今年はもう「耳学問」も止めようかなという気持ちになっている。騒々しい場所に顔を出すのも、だんだんしんどく感じられている。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(付記)
この飲み屋さんだけは今でも通っている。行きつけの店も大分と減らしたけれど、このお店だけは残してある。やはり、学ぼうと思うものがあるからだ。学べる限り、通いたいとも思う。
(平成29年2月)