6月22日:あこがれの一日 

6月22日(木):あこがれの一日 

 

 今日は朝のうちに少し買い出しに出る。二週間分のものを揃えておく。仕事で使う消耗品や食料などを買い溜めしておく。二週間分の食料と言っても、簡単なものだ。インスタントのラーメンとかパスタとか缶詰とか、そんなものばかりだ。それが日々の僕の昼食になる。 

 もちろん、ついでに(というかこれがメインなんだけど)マカロニウエスタンDVDコレクションを購入する。はっきり言って、これに合わせて買い出しの日を設定しているようなものだ。横着ものなんで、外出する時はまとめて用事を済ませたいと思うのである。今回のマカロニウエスタンはなかなか良かった。これは後で書こう。 

 

 今月は木曜日と金曜日はなるべく時間を空けて執筆に充てるようにしていた。その分、水曜日や土日が詰まることが多かったが、本を書くとなるとある程度まとまった時間を確保しないとダメだと分かったからである。 

毎日少しずつ書くというやり方では、僕の場合、上手く行かないのだ。まとまった時間を確保し、一定のところまで書き切ってしまわないと上手く行かないのだ。途中まで書いて、続きは明日というわけにはいかない。 

 今日も全体の見直しと、未完の部分を加筆した。それだけでけっこうな時間を消費するのだ。なかなか人には分かってもらえない部分なんだけど。 

 

 帰宅する。早速マカロニウエスタンを観る。今号は「荒野の無頼漢」と「そして神はカインに語った」の二本である。まずは後者を選ぶ。 

 クラウス・キンスキー主演ということで二週間前から期待していたものだ。物語はオーソドックスな復讐譚である。無実の罪で服役していた主人公が、釈放され、自分を陥れた人間に復讐するというものだ。 

 しかし、こういうパターンの話というのは、無実の罪を負わされた主人公はもっとクリーンなイメージがあり、悪役は本当に悪そうなキャラ設定がなされるものだけど、本作はそれが逆さまになっている感じだ。どう見てもキンスキーの方が悪役に見えてしまうから不思議だ。 

 ちなみにこの作品は日本では未公開だったもので、テレビ放映もされたことがないそうだ。分からんでもない。ストーリーは面白いし、いろんな見せ場もあるのだが、どうも今一つ決め手になるものが無い感じがする。悪役との一騎打ちも、趣向を凝らしているのは伺えるのだけど、どうもスッキリしない。 

 ただ、本作のキンスキーはちょっとカッコいい。 

 

 もう一本、「荒野の無頼漢」の方はと言うと、こりゃまたすごい。宝石と武器密売を巡って革命軍と雇われガンマン、アメリカ勢、さらにロシア皇子、謎のシスターなどが入り乱れる。何がどうなったのか分からなくなった個所があった(これは僕がウツラウツラしてしまったためである)ので、いずれもう一度観なおしてみよう。 

 1970年の映画だが、当時イタリアでは「ルパン三世」が人気だったそうで、本作もそれに影響を受けているらしい。なんとなく分かる。ハレルヤとロシア皇子はルパンと次元といったところか。 

そうなるとシスターは峰不二子ということになるが、これは頷ける。他の映画と違って、このヒロインは主人公を支えたり、恋に陥ったりしないのだ。むしろ主人公たちを出し抜いたりするしたたかなキャラである。サソリ拷問を受けるなんてシーンもあり、この辺りも「ルパン三世」っぽい部分である。 

 また、バラライカ銃、ミシンマシンガンなど、摩訶不思議な武器が登場するのも面白い。コサックダンスから繰り出されるキックなど、インパクトの強いシーンも多々ある。アイデア勝負というか、面白ければ何でもアリというか、マカロニっぽさが満載である。 

 

 ああ、それにしてもいい一日だった。日中は仕事のことをして、夜は優雅に映画を観る。ホントはこんな生活に憧れているのだ。明日からまた書籍のことや仕事のことで追われる日が続きそうだ。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

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