6月11日(日):HPデータ入力開始
朝、少し時間が空いていたので外出する。とある喫茶店に入る。日曜日の朝ということもあって、家族連れなんかも見かけた。お店もなかなか繁盛しているようにも見えた。
僕はカウンターの席に座っていた。厨房の様子がよく見える。マスターとその奥さんだろうか。二人してあくせく動いている。飲み物をつくり、モーニングのセットを整える。てきぱきと手際よくつくっていくさまは熟練の技を感じさせる。
きっと、何十年とかっていうキャリアがあるんだろうなと僕は思った。来る日も来る日もこれをやり続けてきたんだと思った。僕も今の仕事を続けてきているけど、何か身に付いたものってあるだろうか、そんな思いに駆られる。
過去のHPデータをPCに入れている。処分してもいいのだけど、ウチのサイトを閲覧してくれた人たちの記録だと思うと、なんだか残しておきたい気持ちになった。それでユーザー数、ページビュー数など、データの全部ではなくて、そのうちの一部の数字だけ打ち込んでおくことにした。
今日は2006年のデータを打ち込んだ。旧々サイトのときのデータじゃないだろうか。かなり初期のデータだ。まだ閲覧者ゼロの日がたくさんあった時期だ。それでも、その一年だけでも、徐々に閲覧者数が増えていって、サイト自体が延びているのが分かる。現在は、当時よりも数こそ増えてはいるけど、伸び率はあんまり実感できない。当時の方が良かったかもしれない。
書籍の方は、今日はこれまで書いた分をすべてプリントアウトした。A4用紙で90数枚になった。これを校正していく。
内容はいいとして、分量だ。今でどれくらいの分量になっているのかがよく分からない。多分、もう少しばかりの余裕はあるだろうと思うのであるが、一度原稿用紙に変換してみないといけないな。
内容はいいとしてと書いたけど、はっきり言って、売れる内容ではない。それは自分でも分かっている。現在のニーズに合っていないだろうことは一目瞭然だ。時代遅れの人間が書いたものだ、時代についていけてないだろう。
それでも書こう。書いて、出版しよう。出版するからには、できるだけいいもの、納得のいくものを作ろう。売る努力はするものの、きっと売れないだろうことは分かっている。売れなければ売れないで仕方がない。著作があるという形で、つまり僕自身に箔をつける目的で利用していけばいいだけのことだ。
僕個人に損失はない。
先日からちょいちょい電話がかかってくるDV被害者の夫から電話でもあるかと待機していたが、なかったようだ。もっとも、午前中は少し外出して不在であったが、その間にでもかかっていたら僕は知りようがないのだが。
DV「加害者」立場の人といっても、人それぞれパーソナリティがあり、違いがあるものである。僕がお会いするのは、その中でも意思決定がある程度できる人たちである。しかし、中にはその決定ができず、ずるずると引き延ばしてばかりの人もあるだろう。そういう人とはなかなかお目にかかることはないだろう。
彼らが引き延ばすのは、優柔不断な性格のためであったり、処罰を恐れているためであったり、不本意なことをしなければならないという葛藤のためであったり、混乱しているためであったりするだろう。いずれにしても、当人の不利になることが多いようである。
DV「加害者」が優柔不断というのは矛盾しているように聞こえるだろうか。僕は、案外、こういう人も多いと思っているのだ。
その他、久しぶりに事例抽出をした。これは以前やっていたもので、本などを読んでいて事例があったら、それを書き出すということである。今日は短いものを十例書き出した。
一日に一事例ずつやったとすれば、年間で365人の事例を集めたことになる。3年で1000件以上の事例を収集することになる。1000件の事例を読めば、臨床の目も多少は養われようというものだ。そんな考えで、以前にこれに取り組んだのだ。
当時、どれくらいのケースを収集しただろうか。だんだん仕事の方が忙しくなってきて、そちらに時間を割けなくなり、いつしか遠のき、自然消滅した形だった。まあ、それでも過去に収集した事例は残してあるので、一度、何例くらいの事例数になっているのか数えてみてもいいかも。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)