11月5日(月):「書類心配する女性の夢」
<夢>「書類心配する女性の夢」
僕は一人の女性と会うことになっていた。その女性と会うと、彼女は書類が揃っていないと言う。何の書類かと僕は問う。彼女は戸籍謄本とか、申告証明書だとか、ありとあらゆる書類を挙げる。僕はそんなもの要らないよと言う。でも、彼女はそういう書類が揃っていないと自分が誰であるか分かってもらえないのではないかと心配し、尚且つ、僕はよくても僕の上の人たちからそれらの書類を求められるのではないかといった心配まで口にする。上の人から何か言われた時にはお伝えするから、今はそんなものは要らないからそんな心配はしなくていいと僕は彼女に伝える。彼女は泣き出した。
(連想と感想)
自分が自分であることを他者に証明することは難しい。僕は寺戸順司である。そのことを他者に証明することの難しさである。日頃からそういうことを考えている。夢では、この問題に取り組んでいるのは女性だった。どうも女性要素がそうさせているのかもしれないと思い始めている。
確かに、自分が何者で、どういう人間であるかを明示できないと受け入れてもらえないのではないかとか、信用されないのではないかといった感情は女性的な心性であるかもしれない。夢の女性はやたらとそういう心配をしている。
それに対して、僕はそれを大した問題とは捉えていない。けっこうなコントラストだ。実際、他者にとってはそれは大した問題ではないのかもしれない。自分一人だけが過剰に心配していることなのかもしれない。
最後に女性が泣いた場面までは覚えているけど、その先はよく分からない。嬉しくて泣いたような印象を夢の中の僕は受けていた。安心してもらえたという安堵感が僕の方に感じられていたように思う。あまりはっきりしていないので、夢の記述では省いたけれど、なんとなくそんな記憶が、薄ぼんやりとではあるが、ある。
僕は僕の中で一つの折り合いをつけた、そういう感覚が残っている。昨日の夢が過去との決別の感じがあったことに引き続いて、何か一つ僕の中で進展したものがあるのかもしれない。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)