10月2日(火):歩けない足で歩く
今日は定休日である。家で休んでもいいし、職場に出てあれやこれやと作業するのも良しである。
両親が外出するので、それに便乗して車に乗せてもらい、墓参りをすることに決める。先日済ませたところだけど、一応、お彼岸ということもあって、もう一度参っておくことにした。
足が痛い。腰にも負担が大きくかかっていることが分かる。歩くのがなかなか困難である。それでも一応、墓参りは済ませる。帰途もトボトボと歩いて帰る。途中、一回だけ喫茶店にて休憩する。そこで若干の書き物をしておく。
再び歩き始める。道中、レンタルビデオ屋がある。かつてそこの会員だった。今でも会員証は残してある。会員を延長して、映画でも借りて鑑賞しようと思い立つ。
ここのレンタルビデオ屋は、とにかく品揃えが豊富である。映画のコーナーもたくさんあり、片っ端から観たくなる。取り合えず、今回は3本借りる。2週間かけて3本観る。
レンタルしたのは主に西部劇だ。まずは「アラモ」だ。これは子供の頃に観たかもしれないが定かではない。きちんと観ておこう。もう一本は「プロフェッショナル」という映画だ。これは映画の存在は知っていたけれど、今まで観る機会がなかった。もう一本は、「ニューヨーク1997」にする。リー・ヴァン・クリーフが出演しているという理由だけで借りた。
レンタル屋からさらに歩かなければならないのだけれど、ここはもうバスに乗ることにした。妙に足が痛くなっている。歩いて帰るのが億劫である。
ちょうど下校時間と重なったため、バスは高校生たちでいっぱいだった。二つ手前のバス停で下車する。上手い具合にパチンコ屋がある。トイレを借り、休憩所で一服する。半分身を持ち崩しているような人たちがパチンコ台と睨めっこしているのを見て、「ようやる」と思う。見ていて思うのは、パチンコで遊んでいる割にはみんな楽しそうではないのだ。死に物狂いの雰囲気がプンプン感じられてくるのは僕だけだろうか。
さて、そこから家に向かう。もう大した距離はないのだけれど、けっこう難儀した。そこの歩道が凹凸だらけで、傾斜もあり、とかく歩きにくいというのが難点であった。
帰宅後は、まず夕食をとり、その後、映画を二本鑑賞する。それで今日一日がほぼ終わりである。
普通に歩けなくなってから久しい。だんだん悪くなっている感じがしてならない。いや、現実にそうなのだろう。身体に目を向けると、僕は自分の終末を意識してしまう。いずれ、この身体ともお別れする時が来るのだ。その時には、あの墓地が僕の住処となる。その時がいつ来るかなんてことは誰にも分からない。いつでも覚悟だけはしておこうと思う。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)