6月12日(火):歩く
今日は歩きに出る。天気の関係で午後からの出発となった。
また、最近、歩いてみたいと思うようになった場所がある。時折、歩きたくなるところだ。高校時代によく走ったコースだ。そこを、最近、無性に歩いてみたいと思うようになっていた。
御室仁和寺からスタートして、原谷の方に向かい、金閣寺を通過し、立命館大学を経て、もとの仁和寺に戻るという周回コースだ。
早速、仁和寺に向かう。一旦、嵐山に出て、嵐電に乗り換える。この間、外国人ばかりで辟易する。まあ、それも仕方がない。観光地だから。
今日は歩けるかと、ずっと不安だった。仁和寺から、取りあえず、御室八十八ヶ所へと向かう。そこで簡単な昼食を取り、立ち小便をしてからスタートだ。
最初に峠越えが待っている。坂道を延々と登る。ゆっくりでいいけど、できるだけ普通のフォームで歩くように心がける。悪い方の足を庇ったりしないように注意する。ゆっくり歩くと負担が少なかった。それに最近、よく歩くようにしているのも良かったかもしれない。予想していたよりも疲労しなかった。
峠を越えると住宅街に入る。この辺りの人はどうして生活しているのかな、などと疑問も生まれる。かつてあったスーパーも閉店していた。一方で、コンビニがこんな所まで進出しているのかと思った。小さな会社とかがあるけど、やっていけてるのだろうか。
緩やかな勾配はあれど、比較的穏やかな道が続く。最初の峠越えを過ぎると不安材料がなくなった感じだ。やがて、山間の道に差し掛かる。この辺りを歩くのが個人的には好きである。街中を歩くよりも、山のふもとの辺とかを歩きたくなる。いつしか、歌を口ずさんでいたが、不思議とそれは高校時代によく聴いた曲だった。何か思い出すものがあったのだろうか。
水溜りに足を突っ込んで初めて気がついた。靴裏に穴が空いておるではないか。それだけが難点だった。その部分で石とか砂利を踏んでしまうと、妙に痛かった。
しょうざんの辺りに出てくる。この辺りから再び住宅街だ。静かでいい所だとは思うけど、車がないと生活できないだろうなと思う。
一時間歩いた。コースの3分の2まで来た。この調子なら無事にゴールに着けそうな気がしてきた。少しだけ休憩し、再度、歩き始める。
金閣寺のところに出る。この辺りは歩きにくかった。外国人、団体に幾度となく遭遇する。「すんまへん」と言って、彼らの脇を通り過ぎる。でも、少し過ぎるとましになる。立命館大学までは人は少なかった。大学に近づくほど学生さんたちが多くなる。コンビニがある。ちょうどいい、休憩しようと、タバコを一服。学生さんたちを見て、いいなあと思う。
再度、歩き始める。堂本印象美術館がある。一度行ってみたいと思っていた。ついでだ、入ってみようと思ったが、今日は休館日だった。諦めて歩き始める。道は緩やかに勾配する。静かだ。あまり歩いている人も少ない。
そうして仁和寺まで戻る。1時間半程度のウォーキングだ。ここから電車に乗って帰ってもいいのだけど、嵐山でまた混雑に巻き込まれるのも億劫だった。そこから僕が通っていた高校まで歩いてみようと思い立つ。
仁和寺から坂道を下る。昔はあまり気づかなかったけど、この辺りは静かで、住むにはいい所かもしれないなと思った。若干、不便なところもあるかもしれないけど、それもいいかなと思った。
双ケ丘に出る。これは「ならびがおか」と読む。小さい丘が三つ連なっている。ついでだ、入ってみようかと思った。が、靴裏の穴のことを思い出して、断念する。
道路に出る。JRの線路が通っている。確かすぐそこは花園駅だ。線路をくぐり、天神通りに出る。天神川に沿って南下していく。この辺りもずいぶん変わったなあと思いながら、歩く。御池通りの辺りは特に変わった。駅ができているのだから、当然か。
三条通りのコンビニで再度休憩。ここから嵐電という手もあるなと思う。足はもう棒のようになっていたけど、でも、もう少しだけ歩こう。四条通りまで出る。ここがゴールだ。
しかし、ここまで来ると、昔、自転車で通学していた道を歩きたいという新たな欲求が生まれ、そこからさらに歩き始める。
四条天神橋から梅津段町へと向かう。当時、自転車で通学していた道のりを歩く。もっともブレーキをかける回数が少ないコースだった。直線コースをとると、交差点でどうしてもブレーキをかける場面が出てくる。でも、あみだくじのように交差点のたびに曲がるようにすると、ブレーキをかける頻度が減るのだ。当時、そんなことを研究して、実践していたのだなと思い出す。そして、ブレーキをかけなさ過ぎて、車と衝突した場所もしっかり覚えている。
そんなこんなで帰宅する。17時頃。電車に乗っている時間や休憩時間もあったけど、ちょうど5時間歩いたことになる。ちょうどいい運動量だ。できれば、来週も歩きたいと思うようになっている。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)