11月23日(土):油断大敵
ある女性が財布を掏られたらしい。気の毒な話である。本人は掏られたのか落としたのか分からないと言っており、落とした可能性も否定できないようだ。でも、それがパチンコ屋での出来事だというのだから、きっと掏りに遭ったんだろうと僕は信じている。
パチンコ屋でのそういう話もチョイチョイ耳にすることだ。その多くは車上荒らしだけど。パチンコ屋の駐車場に車を停めていて、パチンコを打っている間に車上荒らしされるわけだ。耳にするのはそういう話が多いが、スリも聞かないわけではない。
僕はパチンコはしないけど、パチンコ屋に入ることも多い。トイレを借りたり、ロビーというか休憩所で喫煙したりする。夏場だと涼んだりもする。そういう時、財布と荷物だけは肌身離さずを意識してやっている。
僕が座っていて、他にも席が空いているのに僕の横に座る人とか、親し気に話しかけてくるような人は要注意だ。もし、右隣に誰かが座ると、鞄を左側に、財布も左ポケットに入れ替える。左に座られるとカバンと財布を右に移す。両側に座られると、人の少ない所へ僕は移動する。休憩はしていても警戒は怠らないようにしている。
まあ、ここまでいくと立派な偏見だとは思うのだけれど、パチンコ屋でパチンコを打っている人はみんなギャンブル依存症だと思うようにしている。自分さえ助かればそれでいいと考えている人種ばかりが集まっていると、そう思うようにしている。他人のものを掏ろうと盗もうと、自分が助かることしか考えていない連中だと思うようにしているわけだ。一攫千金なんて言うと聞こえはいいんだけれど、要は、濡れ手で粟を期待している人たちばかりなんじゃないかと僕は思っている。
見ていると、楽しそうにパチンコしている人なんて皆無だ。来る時は勇ましそうであっても、帰る時には生きる屍のようになっている人もある。ゾンビか、と思うような人である。生気と財産をすべて吸い取られたんだなと僕は思う。そういう人が集まっている場だと信じているので、だから、他人の金でもあわよくば取るだろうという偏見を僕は持っているわけである。
あの女性は財布を掏られたのだ。盗まれたのだ。後日、財布が警察に届けられていたそうなんだけれど、当然、中身は抜き取られている。抜き取られた金はどこかのパチンコ屋が吸い取ったことだろう。
せめて、彼女にとっていい教訓になってくれればと僕は願う。パチンコなんかに手を出していると、そういう経験をしてしまう機会が増えるだろうと思う。これに懲りて、パチンコなんかに手を出さないようになってほしいものである。どの人も油断大敵、君子危うきに近寄らずで生きてほしいと願う次第である。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)