12月28日:キャッチコピー

12月28日(水)キャッチコピー

 

 もう一つのサイト「駅ナビ」の方で、文章に小見出しを付けるように頼まれて、困っている。それで参考になるかと思って、広告のキャッチコピーを注意して見るようになった。今朝も通勤の電車の中で、いつもなら本を読むところを、いろいろ広告を眺めて過ごした。

 例えば、こんなのがあった。「『有名企業から探す』、それ時代遅れの就活です」。言葉通りではないかもしれないけれど、大体そんな意味内容の文章である。こういうのはインパクトがあるかもしれない。しかし、「それ時代遅れです」とか「あなたのしていることは間違いです」と指摘されるのを不快に感じる人もいるかもしれない。だから、このパターンは却下。

 次に、「すっぴん唇を赤ちゃんピンクに」というのを発見。リップクリームの宣伝だったと思う。「すっぴん」と「ピンク」、さらに「赤ちゃん」とが、韻を踏んでいる感じがして、とてもいい。しかし、少々スッキリしない感じもする。そこで僕は「すっぴんリップをベビーピンクに」と換えてみた。ダメだダメだ。すっきり感は増したものの、これではまるでルー大柴さんだと思い、これも却下(ただし、実際のCMでルー大柴さんをキャスティングするのであれば、これも有りかもしれない)。横文字を多用するのも注意が必要だ。

 「ビジネスアイデアは 電車の中に、ぶら下がっていたりする」。阪急の車内広告の宣伝である。これも内容はいいなあと思った。でも、「アイデアは、電車の中で、発見する」くらいに簡潔にした方がよりいいかもしれないと思った。

 最後に、情報誌anの広告で、「若者に 給料日という 幸福を」というのがあった。これは実際は三行で書かれている。「五・七・五」の俳句調で書かれているのがいいと僕は思った。こういう「五七調」は流れがいいなと感じるのである。

 他にもいくつか見たけれど、「○月○日オープン」だの「~開催中」といった、いわば事実だけを伝えるタイプのものばかりであった。伝達という観点では、伝えたいことが確実に伝わるものなのだけど、キャッチコピーとしては弱いなと、僕は感じる。

 しかし、何をしているのやらである。僕は自分の所のものを考えなければならないのに(こういう作業は苦手である)、他人の考えたものに文句を付けている(こういう作業は得意である)だけである。一向に捗っていないではないか。うーむ、つくづく創造性に乏しい人間だなあと、あらためて感じているのである。

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー

 

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