11月4日(金):酒呑みの男は避けるべき
僕は未婚の女性と話をする時に、よく「酒呑みの男とは結婚したらアカンぞ」と言う。僕も酒呑みだったからよく分かるのである。また、呑み屋でそういう男性を見てきたから、僕はつくづくそう思うのである。「酒を呑むイケメンよりも、酒を呑まないブサイクを取るべき」と告げるのである。これを聞いた女性たちは大抵、僕が冗談を言っているのだと勘違いする。実は、僕は真剣に言っているのであるが。
なぜ、酒呑みの男とは結婚しない方がいいか、ということであるが、これは簡単である。酒呑みは、妻よりも酒の方を取るからである。妻や子供との約束よりも、酒の方を優先するのである。酒呑みはしばしばそれをするのである。この時、当の酒呑みは何一つ苦しまないのである。しかし、約束を反故にされた妻や子供は辛い思いをするのである。妻や子供が辛い思いをしている正にその時に、当の酒呑みは酒を呑んで我を忘れておるのである。妻や子供にとって、こんな悲劇はないと僕は考えている。
また、酒呑みとはこういうことをしてしまうものである。だから、タバコよりも酒の方が害が大きいと僕は考えているのである。タバコで困るのは、少なくとも、夫がタバコを吸っているその間だけのことである。タバコのために約束を無視されたというような例を僕は聞いたことがない。
それで酒呑みは妻との約束を破るのである。今晩は早く帰って来てねなどと、朝に約束しても、夕方には酒を呑んで、終電帰りとなるのである。翌朝、酒呑みは次のように弁明する。約束は覚えていたと、早く帰ろうと思っていたと、でも、付き合いで帰るに帰れへんかったんやというようなことを言うのである。ところが、酒呑みのこういう言葉ほど信用できないものはない。なぜなら、その酒呑みは自分が酒を呑みたかったはずであり、帰るに帰れなかったというような、嫌々ながらの酒であることはまずあり得ないのである。
僕の呑み友達にもそういう人がいた。彼は遅く帰った翌朝、彼の妻に、「いや、昨日は寺戸さんと一緒に呑んでてな、それで遅くなったんや」と言っていたらしい。僕を悪者にするのは止めてくれと彼にはよく言ったものである。僕と一緒に呑んでない日でも、僕と一緒だったと言っているかもしれないので、こういうのは共犯者にされる方もたまったものではないのである。
また、これは上記の人とは別の人だけど、毎晩呑み歩いている夫を妻が迎えに来たのである。わざわざ呑み屋まで奥さんが来たのである。僕は奥さんが迎えに来たから、今日はお開きにしようと言ったのであるが、彼はそこでどうしたか。彼は妻を呑み屋から追い出したのである。最初は「もう五分待ってくれ」とか「これを呑んだら帰るから」などと言って、妻を外で待たせるのであるが、五分経っても、グラスが空になっても彼は帰ろうという気配を見せない。そればかりか、更に注文するのである。追い出された妻は再び店に入って夫を連れ戻そうとする。それを彼はまた追い出す。これを繰り返して、最後は居酒屋の中で激しい夫婦喧嘩をしたのである。この奥さんは可哀そうなことに、泣きながら独りで帰って行ったのである。彼は妻よりも、目前の酒を取っているのである。
この二人の酒呑みの妻たちが幸せかどうかを考えてみればいいのである。だから、酒呑みの男とは結婚するべきではないと、僕は知り合う未婚女性に勧めているのである。この酒呑みの男性たちも若い頃はそういうこともなかったかもしれないけれど、飲酒歴が長くなるほど、こういうことをしてしまう可能性が高くなるのである。また、このことは酒だけでなく、ギャンブルにおいても同じである。だから「酒呑みでギャンブルをする金持ちのイケメン」よりも「酒もギャンブルもしない貧乏なブサイク」の方がいいのである。もちろん、僕の個人的な見解ではあるけれども、婚活をされている女性がこれを読まれたら、一つ参考にしていただければと思います。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(再録に際して)
僕も飲酒と禁酒を繰り返しているけれど、基本的な考えは今も変わらない。酒飲みとは結婚しない方がいいという考えだけは。僕も、困ったことにお酒が好きなのだけれど、酒飲みは好きになれない。周囲の人を不幸にして、自分は何事にも無関係の立場を固持する。自分勝手で、困った人たちだ。そうなりたくないとは思いながらも、僕も同類かもしれないな。(平成25年11月)