8月16日(月):見た目重視で
僕の所は今日からお盆休みという感覚だ。クライアントたちも夏休みがあるわけなんだけれど、例年ではその前後に受けに来られる方々も多かった。夏休みは帰省なり旅行なりするからである。今年は例年とは逆になって、一般の人たちの夏休み期間中に仕事が増え、その後がヒマになっている。
だから今週はヒマ週だ。ヒマ週だから大掃除をやると決めた。とはいえ、毎年3回、大掃除をやることにしている。ゴールデンウイークと盆休みと年末年始だ。だから僕の方もいつも通りである。ただ、今年は日がズレただけのことだ。
この大掃除では、できれば窓を優先するようにしている。窓際に置いているものを全部どけて、窓を拭き、ブラインドも磨くのだ。そしてものを再び窓際に戻して終了となる。それから窓以外の部分にとりかかるのだが、こちらはその時々で内容が異なる。今回はここをしようとか、ここは次回に回そうとか決めて行う。
さて、この窓掃除であるが、けっこうたいへんな作業だ。昔はこれを一日でやっていた。最近は二日に分ける。西半分と東半分というふうに。今年は4日に分ける。二日かけて西半分をやり、もう二日かけて東半分をすると決めている。膝や腰が痛いからである。それに体力も衰え、無理が利かない。無理が利かない分、時間をかけるしかないわけだ。
今日は、西半分を実施。窓際に置いているものを全部どけで、窓を拭く。大体3時間くらいの作業となった。もちろん、随時休憩を挟む。ぶっ続けでやったらもっと速くできるのだけれど、後が続かなくなるようでは困る。気持ちは焦るけれど、時間をかけながら行う。
午後からはブラインド関係のところを実施する。これも物が置いてあって普段できない箇所から優先的に取り組む。これを午後と夜とで実行する。
お昼と夕方は外出する。お昼の方は、薬局に行く用事があり、そのまま昼食を摂る。外食はしたくないんだけれど、室内が混雑しているので食べるスペースがないのだ。
夕方の外出は百パーセント休憩だ。室内では休憩する場所がない。喫茶店に入って二時間ほど本を読んで過ごす。
それで今日の一日が終わった感じだ。掃除した箇所はキレイになっている。まあ、すぐに見慣れてしまうのと、また汚れてしまうのとで、このキレイ感は長続きしないものだが、それでもいい。キレイにするという行為が大切なのだ。
クライアントたちは僕に関していろんなことを言ってくれる。実はあんまりありがたくない。太っているだの、髪が薄くなっただの、福耳だだの、笑うと口が歪むだの、部屋が臭いだの、へったくれだの、実にいろいろ言ってくれる。
これは実はその人の症状でもある。ある程度社会生活を営むことの出来ている人は遠慮が働くものである。礼儀が前景に出てくるものである。それを言う場合でも、遠回しに言うなり前置きして言うなりするものである。その人の社会性と言ってもいい。
相手のことで何か目に留まったことや気づいたことをズバズバ言ってのけるというのは、その人の中で抑制が働いていないということでもある。そして、案の定というか、そいう人は社会生活に支障をきたしているのである。
だからそういう形で言われたことを僕は無視する。今までの僕ならそうしただろう。ところが、僕も少しは見た目を気にした方がよいと思うようになっていて、多少は改善するなり何なりをしていこうという気持ちもある。何か指摘されたら、ちょっとくらいそれを気にしてみようかとも思っている次第である。部屋をきれいにしておこうというのも、見た目重視のためである。
個人的には坂口安吾の仕事部屋がいいと思っている。書籍や原稿用紙が山のように積んであって、足の踏み場もないところに机一つ置いてあるという部屋だ。ああいう仕事部屋が理想なんだけれど、それじゃダメなんだろうな。キチンとしなさいと言われてしまうのだろうな。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセター代表・カウンセラー)