<T010-08>夢の旅(8) 

 

 

(夢35)「『臭い』と言われた夢」 

(夢36)「新駅をレポートする夢」 

(夢37)「工場内の夢」 

(夢38)「改装中の夢」 

 

 

1月4日(3~4日) 

(夢35)「『臭い』と言われた夢」 

 一人の女性と知り合う。セックスをしたのだろうか。その時、女性から「臭い」と言われた。次に会った時、彼女は怪我をしていて、手足に包帯を巻いていた。私は彼女を看病する。 

 

(連想と感想) 

 この女性は居酒屋で働くNさんのようだった。お酒を止めると、Nさんとも会わなくなるなあなどと考えていた。とても面白く、感じのいい女性である。 

 セックスをしたかどうかは不明。若いころの一時期、セックスはお互いに苦しめ合う行為だと信じていたことがあって、今でもあまり好きではない。実際には、お互いに苦しめ傷つけあうセックスと、そうではなくて、お互いに大切にしあうセックスもあるということは、今では分かっている。 

「臭い」と言われることは、私には苦痛で、汗かきなので昔から体臭のことは言われたことがある。しかし、これほど無神経な言葉もなくて、臭いのは私の責任ではないのだけど、私の責任であるかの如くに言われるのである。しかも、どうして欲しいのかを相手は言わないので、自分ではどうしようもないことを、ただ批難されるのである。 

 次に会った時、彼女は怪我をしている。何か暴力的なことが行われたのかもしれない。私は彼女を看病しているが、私が女性と交際する時は、そういう態度になってしまうようだ。病人を看病するように扱ってしまうのである。それでよく女性からは疎まれるのである。 

 

 

1月5日 

(夢36)「新駅をレポートする夢」 

 二人の女性を従えて、建設中の新駅をレポートしに行く。私たちは高架のような場所に上がり、建設中の設備を見た。それは変電設備のキュービクルで、変圧器などが入っていたが、まだ稼働していなかった。 

 

(連想と感想) 

 夢の中では、その設備はほとんど完成しており、いつでも動かせることができそうな雰囲気だった。建設中ということは、完成に向かっている途中の段階である。私の何かが完成に向けて建設中ということだろうか。 

 前回の夢35には破壊的、暴力的なニュアンスがあったが、それを補償するかのように、建設的な夢が現れた。また、女性が二人になっている。二対一の関係になっている。これは、前回のような一対一の関係よりも安全な関係のように感じられる。 

 

 

1月6日 

 夢を見ず。 

 

 

1月7日 

(夢37)「工場内の夢」 

 広い工場内を歩く。工場は休みに入っているようだった。年末という雰囲気だった。そこの事務所に私は入る。数人の男性がいて、談笑する。その中の一人が私にふってくる。彼の方がお笑いのセンスがあるのだから、私にふらないで、彼にぼけてもらって、私がつっこみを入れたいと思った。そこに工場長のような人が現れる。私たちはちょっとした悪戯をしようと計画したが、工場長に怒られてしまった。その後、工場長の演説があって、解散ということになった。霧(もしくは煙)の中、私は来た道を引き返している。今は機械が動いているようだった。 

 

(連想と感想) 

 前回は新駅が建設中だったが、ここでは何かを作る工場が出てきている。作られている物から、作っている現場に入ったような感じである。ただ、最初は動いていなかった工場が、帰る頃には動いている。何かが動き始めているようである。 

 事務所にいた男性は、お笑いコンビ、キャイーンの天野さんに似ていた。彼の方がお笑いは上手なのだから、私にぼけさせるのは不当だと思ったのか、ツッコミの方をやらせてほしいと考えている。 

 面白いのは、二人で悪戯を考えるも、工場長に叱られてしまったことである。そして、その後で工場が稼働しているのである。悪戯っ子をコントロールしたことで、大きな創造が開始されたかのようである。 

 この工場長であるが、力強く、存在感のあるリーダーといった雰囲気で、この人がいなければ工場は動かなかっただろうし、私たちは悪ふざけを続けていただろう。創造と秩序をもたらす存在のようである。 

 

 

1月8日 

(夢38)「改装中の夢」 

 家の中を改装している。床下からゴキブリの死骸が出てきた。一緒にいた相方がそれを見て怖がる。私は、何がそんなに怖いのか理解できないでいる。そして、「ゴキブリなんて大したことないわ。ヘビの方がよっぽど怖いわ」と私は言った。 

 

(連想と感想) 

 家の中を改装する。何か過去や人生を変えていこうとするというイメージがある。 

 ゴキブリを怖がる相方。実際に、私はゴキブリは怖くないのだが、兄がとても怖がる。昔、兄が風呂に入っていると、浴室から私を呼ぶ声が聞こえる。何事かと思って見に行くと、ゴキブリが出たというので兄がパニックになっていたのだった。兄はそれくらいゴキブリが怖いのである。夢の中で、私はそれを理解できないでいる。つまり、兄を理解できないということでもあるようだ。 

 私は、「ヘビの方がよっぽど怖いわ」と言っているのだが、これは事実である。ただ、この場で言う必要のあることではない。言わなくてもいい情報である。相方との関係の中で、どうしても私が主張したいようである。この関係においては、自己主張したいのである。そして、これを言うことによって、私は相方とは違うのだということと、私の方が相方よりも強いのだということを強調しようとしているかのようである。これこそ、私が兄との関係の中で、主張できずに苦悩したことでもあった。 

 

 

1月9日 

1月10日 

 両日とも夢を忘れる。やることがたくさん増えて、夢を見たのだろうけれど、忘れてしまっている。 

 

 

<第8週目を終えて> 

 今年は、有難いことに、年始より仕事があり、順調な滑り出しだった。その分、やらなければいけないこととかも増えてしまって、この夢の作業に多くの時間を割けなかった。あまり連想も働かず、せっかく夢を見ても、自分のために役立てることができていない感じがしている。 

 夢36は新駅の建設中、夢37は工場が稼働始めている、夢38は家の改装と、ここには一連の流れのようなものを感じる。より内的な方向に向かっているように思われた。 

 葛藤的な夢もあった。夢35では、女性との葛藤があり、この女性はお酒ということで結びついているから、お酒との葛藤をも含んでいるようだ。夢38では、兄との葛藤がある。これは、これまでにも繰り返し見たテーマである。私の心の中で、とても大きなウエイトを占めているということが分かる。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

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